第九十一話 夏休みも終わりになってきてその七
[8]前話 [2]次話
「熱気が篭らないのよね」
「横に長くてすぐに後ろが山でね」
「前が海でね」
「風が山から吹き降りるから」
「六甲おろしがね」
常勝軍団として知られている阪神タイガースの応援歌のタイトルにもなっている、この風が神戸にも常に吹いているのだ。
「吹いているから」
「涼しいのよね」
「その代わり冬は寒いけれどね」
「大阪は暖かくてね」
「けれど夏はね」
一華はあらためて話した。
「この通りね」
「滅茶苦茶暑いのよね」
「そんな中でクーラーないと」
「せめて扇風機がね」
「やっていられないわ」
「本当にね」
「王さんは特別でしょ」
それこそというのだ。
「もうね」
「私もそう思うわ」
かな恵も否定しなかった。
「今時お家にクーラーも扇風機もないって」
「とてもね」
「過ごせないわ」
「そうよね」
「かえって暑さにやられるわ」
「熱中症にもなるわね」
「そうなるわよ」
暑さのことを考えてうんざりとした顔で述べた。
「絶対に」
「王さんでもないとね」
「大谷さんも夏強いみたいだけれど」
大谷翔平、人間とは思えないまでの能力をメジャーでも発揮し続けている恐るべきこの野球人もというのだ。
「あの人もね」
「あの人は超人でしょ」
一華ははっきりと言い切った。
「もうね」
「人間を超越してるわね」
「あの人はね」
「そうした人だと」
「只でさえ普通の人じゃないんだから」
超人と呼ばれるまでにというのだ。
「だったらね」
「夏に強い位は」
「普通でしょ」
「そうなるわね」
「まあ只でさえ人間離れしてるのに」
そうした能力を遺憾なく発揮しているがというのだ。
「夏もそうだとね」
「それで福岡の子なんか泣いてたわね」
「二〇一六年は七月その夏から地獄だったて」
「ソフトバンクが日本ハムにいたあの人に負けたって」
「十一ゲーム差ひっくり返されて」
「それで優勝逃したって」
「まあそうした人もいるわね」
自分に言い聞かせる様に話した。
「凄くレアだけれど」
「幾ら何でも投打二刀流でね」
「どっちもメジャー記録クラスってね」
「異世界から転生したんじゃないから」
「流石にそうはいないわ」
こう話してだった。
一華はあらためてだ、かな恵に言った。
「普通の人にお話戻したらね」
「王さんや大谷さんとは違う」
「特に大谷さんね」
こう言い加えることを忘れなかった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ