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何故信頼される先生なのか
第二章
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「試合で負けた自分が顧問の部活の生徒全員に丸坊主強制して」
「それ体罰ですよね」
 長崎はその話を聞いて引いた、そのうえで言葉を返した。
「もう」
「うん、けれど自分はね」
「丸坊主にしなかったんですね」
「それで翌日そうしてきた生徒が少ないって怒って」 
 それでというのだ。
「剣道部の顧問だったけれど中学校では体格が出来ていないから禁止されている突きを生徒に浴びせて」
「それも体罰ですよね」
「しかも試合で禁止されているシャベル突きなんてリンチ技を浴びせて生徒にその跡をつけて床の上で背負い投げして動きが悪いって防具の上からでも百発殴ってその生徒の竹刀蹴飛ばして他の部活の生徒の前まで連れ出して馬乗りになったんだ」
「滅茶苦茶ですね」
「流石に大問題になってね」
 一連の行為がというのだ。
「ネットでも話が上がってね」
「炎上ですね」
「そうなってね」
 それでというのだ。
「懲戒免職になったよ」
「そうですか」
「生徒馬鹿にした発言やふんぞり返った態度がずっと問題になっていたし」
「そうした先生がいたんですね」
「けれど高嶋先生は怒ってもね」 
 そうしてもというのだ。
「体罰は振るわないしね」
「生徒を馬鹿にしないし」
「いつも向かい合っているから」
「そうした姿勢で」
「生徒もわかっているから、自分達を認めて向かい合ってくれて」
「教えてくれているって」
「自分達の為にね、だからだよ」 
 彼等も理解しているからだというのだ。
「皆だよ」
「高嶋先生を嫌っていないんですね」
「むしろ信頼しているのがわかるね」
「生徒で悪く言う人はいないですね」
「生徒も人間でわかることはわかるんだよ」 
 先輩の先生は言い切った。
「自分達を認めてくれて気にかけてくれている人がね」
「それでそうした人は信頼されますね」
「そうだよ、逆に平穏先生みたいな」
「生徒、自分達を見下して虐待するみたいな人はですね」
「その事件起こす前から運動会の練習でも威張り散らしたりもして」
「嫌われていましたね」
「高嶋先生運動会の練習でも言うけれど」
 今話している先生もというのだ。
「見下さないでね」
「向かい合っていますね」
「だからあの先生は言われないんだ」
「そうですか、人を認めて向かい合って真剣に気にかける」
「そうした人は嫌われないで」
 例え厳しく口煩くともというのだ。
「逆にね」
「信頼されますね」
「長崎先生も覚えておいてね」
「わかりました」
 先輩の先生の言葉に頷いた、そうしてだった。 
 長崎は以後彼女なりに高嶋を手本にして生徒を認め向かい合っていった、すると彼女も生徒から信頼される様になった。そして教師とはどういったものかとわかったのだった。


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