第一章
[2]次話
何故信頼される先生なのか
高嶋力也は勤務している中学校では厳しく口やかましい先生として知られている、どんな生徒に対しても問題があると見れば臆することなく注意する。
一八〇近い背でがっしりとした体格で長方形の顔には太い眉と大きな強い光を放つ目があり黒髪は丸坊主に近いスポーツ刈りである。
いつも動きやすい服であり学校の中を背筋を伸ばして歩いている。
そんな高嶋を見てだ、新任教師の長崎真由美茶色のふわふわとした肩までの髪の毛と細長い眉に丸い目と小さな唇を持つ小柄な彼女は戸惑って他の先生に言った。
「あの高嶋先生大丈夫ですか?」
「大丈夫って何がかな」
「いつも生徒に怒ってさっきの全校集会でも」
この時もというのだ。
「生徒に厳しい声で注意していましたね」
「生活のことでだね」
「ああした態度で大丈夫ですか?」
心配そうな顔で言うのだった。
「嫌われません?」
「嫌われてないよ、高嶋先生」
二十代後半位のその男の先生は落ち着いた声で答えた。
「生徒からね」
「あれだけ厳しくて口煩くてもですか」
「そこは見ていればわかるよ」
長崎に笑顔で言うのだった、それで長崎もだった。
それならとなって高嶋を見ることにした、すると。
高嶋は確かに厳しい、だが。
「校則に違反していないなら言わなくて」
「生徒の事情も理解しているよね」
「元々茶色の髪の毛の子にもです」
「天然パーマの生徒にもね」
「そうした子ってわかっていて」
高嶋の方で把握していてというのだ。
「言わないですね、それで理不尽なことも」
「言わないね」
「注意すべきところを注意して」
そしてとだ、長崎はさらに言った。
「まずご自身をです」
「律しているね」
「そうですね」
「自分にもなんだよ」
先輩の先生は長崎に話した。
「厳しい、というかね」
「まずはですね」
「自分にだよ」
「厳しい人ですね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「どの生徒も認めて正面からね」
「向かい合っていますね」
「ゴミみたいに扱うとかね」
「そんなことはないですね」
「いや、去年までこの学校に平穏って先生がいたけれど」
先輩の先生はここで小声になった。
「この先生は高嶋先生とは真逆で」
「どんな先生だったんですか?」
「自分はパーマにしていてね」
まずは髪型のことを話した。
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