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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第166話:錬金術のヒュドラ
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 大型アルカノイズは消滅することなく、それどころか破壊された部分から再生して4体の首の数を減らした同型のアルカノイズになったのだ。その光景に翼も目を疑う。

「まさか、仕損じたのかッ!?」
「ッ! そうか、あいつは……!」

 颯人はその光景に既視感を覚えた。そう、今は既に倒した存在である嘗てのジェネシス幹部の1人であるヒュドラ。驚異的な再生能力を持つ、奴の姿とあのアルカノイズの姿が被っていたのだ。

 恐らく、あのアルカノイズが直接ヒュドラを模したものと言う訳ではないだろう。そもそもヒュドラとは神話上の伝説の存在である為、何かしらの部分で被ることは儘ある。あのアルカノイズは錬金術師なりにヒュドラを再現した代物なのだ。

 だが問題なのはあのアルカノイズが再生能力を持つと言うところではない。本当に問題なのは、あのサイズで空母の様にアルカノイズをばら撒ける奴が、複数体に分裂する事ができてしまった点である。

 颯人達の前で、分裂した大型アルカノイズは別々の方向へと向かって行った。その狙いは明らかに颯人達の分断だ。

 この時点で颯人は自分達が敵の策に嵌ってしまった事に、軽く頭に手を当てるのだった。
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