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リュカ伝の外伝
巧い話にゃ裏がある
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いのかい。絶対に儲かるとは限ってないよ? まぁグランバニア王としては愛しい王妃の故郷のワインだから大量に輸入するけどね」
大口の契約も既に決まってる。

「それだけで十分に美味しい話しだ。わっはっはっはっ!」
「喜んでもらえた様で光栄だね。ところでワインって高いイメージがあるんだけど、幾らぐらいする物があるの?」

「ふむ。先程アンディーが言ったが、今お前が飲んでるのは45(ゴールド)だが、ブランドや品質……それとその年の生産量などで値段も高騰する」
「ほほぅ……大商人様はお高いワインを持ってそうだけど?」

「無論持っておるさ! 最高級ブランドで希少性も高い『ロマン・コンティ』をな! ソルムンド歴170年はブドウが不作の年でな……それでも3本も値は張ったが購入したんだぞ」
「へ〜……美味しかった?」

「馬鹿者! その年は600本も生産されなかったのだぞ! そう易々と飲むような代物では無い。何かの記念で飲むワインなのだよ」
「何かの記念……ねぇ。そう言えば170年って、僕とビアンカが結婚した年だね。記念だね、キ・ネ・ン?」

「やらんからな!」
「くれなんて言ってない!」
言ってないけど要求してる。

「そう言えば話は変わるけど、今アリアハンの協力を得て、とある物を開発してるんだ」
「ほぅ……話しを戻す気は無いので、その話しを詳しく聞きたいな」
リュカさんはそんな甘くない。

「ラジオって言ってね、簡単に言えば音声版の新聞って感じかな? 新聞って空いてるスペースに広告を掲載するじゃん。グランバニアは識字率が高いから大丈夫だけど、低い地域じゃ広告を掲載しても効果が低いじゃん。でもラジオなら音声で宣伝してくれるわけだし、誰にでも色々な商品に対して購買欲を湧かせられる事が出来るよね。出来上がったラジオは基本的に公共の物になる訳だし、ラジオで広告を打ち出すには王家の許可が必要になるよねぇ?」

「な、何が言いたい……」
「べっつにぃ〜」
ムカつく。
正直ムカつく顔だ。

「リュ、リュカよ……如何(どう)だ……ロマン・コンティを土産に1本持って帰るか……?」
「えぇ〜悪いよぉ〜……だって3本しか無いんだろぅ? 僕とビアンカの結婚記念年とは言え、お祝いするんだったら子供を含めた家族で祝いたいしぃ〜……1本を僕たちだけで飲むのは申し訳ないしぃ〜」

「に、2本……やろう……ワシからの心付けじゃ!」
「えぇ、良いのぉ? 僕、お酒の味も分からないし、投機目的じゃ無いから飲んじゃうよ?」
白々しく遠慮(?)する。

「頼む……是非ともプレゼントさせてくれい!」
「そこまで言われたら……如何もありがとうございますルドマンさん?」
普段ハゲマンとか呼んでるクセに、こういう時だけ礼儀正しい。


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