巧い話にゃ裏がある
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るとは言え、世の中の人々に購買意欲を湧かせなければ意味は無いと思わぬか?」
リュカさんの態度に対しての意趣返しかなとも思える返答に、返されたリュカさんは気にすること無く自分とビアンカさんの目の前にあるグラスを見詰める。
リュカさんはあまりお酒は好まぬと言う事で、ビアンカさんとともに冷水を提供していたのだが、食事が進むにつれグラスも空になりお替わりを欲してるのだろう。
僕は慌てて給仕に水を持ってこさせようとしたが……スッと左手を翳してそれを制した。
そして徐に僕やフローラ・お義父さんが飲んでいたワインボトルに手を伸ばし、自分とビアンカさんのグラスへと注ぐ。
「うん。酒の味はよく分からんが、美味しいんだと思う」
「十分美味しいわよリュカ」
夫婦揃って一口飲むと、興味深げにワインボトルを観察してる。
「これは何て名前のワインだ? ……え〜っと……ビジョ……ヌード?」
「『ビジョレーヌードー』です」
ボトルのラベルを見ながら、辿々しく読み上げるリュカさんに教えてあげる。
「何かエロい名前(笑) でもお高いんでしょう?」
「そのワインは先日に今年のが解禁されたばかりの物でして、ブドウの質も量も共に良作でしたから45Gで出回ってます」
「まぁお得。今なら高級ハンドバッグ付きかな?」
「……よ、よく分かりませんがオマケは付いてないです」
「金利・手数料はサラボネットが負担してくれるのかい?」
「サラボネット? い、いえ……良く解りませんが送料は別です。お買いになりますか?」
「ふ〜ん……ブドウを使って何かを作るとしたら、やっぱりワインになるよね? ワインって確か……“ポリエチレン”だとか“ポリリズム”だとかが入っていて健康と美容に良いんだよね?」
「“ポリフェノール”ですか?」
「そう、それ!」
「そう聞きますね」
何を言いたいのだろうか?
「話は変わるけど……もうホント全然変わるけど……先刻言った近隣農村の聖歌隊のシスターと、その娘2人って凄ー美人なんだよね。何か秘密があるんじゃないかなぁ……あの美人さ? ポリフェノールを摂ってるとか?」
「つまり……サンタローズのシスターに新商品のワインを宣伝してもらうと言う事だな?」
「はてさて……僕は一言もそんな事は言ってませんが? なんせ僕は関わってない事ですからね……町興し委員会が決める事でしょ?」
なるほど……アルカパの近隣農村って、リュカさんの故郷であるサンタローズの事なんだ。
そしてそこのシスターと娘さん等と言えばリュカさんの……
関わってないと言いつつも、既に話しは出来上がってるのだな。
「……良いだろう。 その話し、乗った! 明日にでも使いを出し、アルカパに融資を申し出よう」
「良
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