暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
越えられない壁
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グラシアンside

何も見えない真っ暗な空間。いや、空間じゃない。顔に何かが張り付いているような感覚があるということは、視界を塞ぐための何かが付けられているのだろう。そんなことを考えていると、不意に視界がクリアになり目の前に扉がある壁が入る。

「中に入るとこんな感じなのか。なんか殺風景っていうーーー」

恐らく俺の順番ということで視界が晴れたのだろうと考えながら一人言を呟いていると、隣に見覚えのある人物がいることに気が付き動きが止まる。

「一夜?」

俺の隣にいるのは魔法による目隠しをされている一夜。そんな彼にも俺の声が聞こえていたのか、返事が返ってくる。

「メェーン。まさかもう遭遇したのか?グラシアンくん」
「いや、俺もこの部屋がスタートだ」

まさか同じ部屋からスタートすることがあるのかと思っていたところ、他の人影はない。俺たちだけが特例なのかはたまた他にも同様な条件の奴がいるのか、そんなことを考えていると脳内に聞き覚えのある声がしてくる。

『グラシアン選手、一分以内に好きな扉を選ぶカボ』

念話で通達してくるということは今が誰のターンなのか他の参加者にはわからないということ。さっきのくじ引きが白紙だったのは運営だけが順番を把握するためだったということか。

「どの扉がいいと思う?」
「見えてない私にそれを聞くのか?」

最初なんてどの扉を開けても一緒なので一夜に問いかけてみるが、こいつらしい真面目な回答が返ってくる。そもそもここがどの部屋なのかもわからない上にゴールも自分たちで推察しなければならないのに、どの扉が正解かなんてわかるはずがない。

「ここでいっか」

ガコッ

とりあえず目の前の扉のドアノブを回してみると扉を開くことができた。それと同時に脳内に再度、マトー君の声が聞こえてくる。

『正解ですカボ!!そのまま次の扉も選ぶカボ』

どうやら正解ごとに念話で教えてくれるらしい。成功する限りは自分のターンであることを考えると、次も当てておきたいと思ったが・・・

「!!」

俺はそこであることに気が付いた。

「なるほど。これで部屋の位置を特定するわけか」

進めば進むほど情報が入ってくるのはありがたい。そう思いながら俺は次の扉へと手を伸ばした。

















シリルside

『グラシアン選手!!二つ目の扉も見事正解です』

一番手であるグラシアンさんが難なく二つの扉を解錠する。ただ、昨日のような盛り上がりは今のところない。だってそんな盛り上がるほどの何かが起きているわけではないのだから。

「地味だね」
「地味ね」
「地味ですね」

ルール説明の時は頭を使うゲームだと思って
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