第八十四部第四章 続く会談その三十七
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「そうでない人もいてね」
「政治家もですね」
「別に腹が黒くなくてもですね」
「やっていける訳で」
「八条長官もですね」
「そう、彼は腹が白い政治家で」
伊東はそうした政治家も普通だと話して述べた。
「そしてね」
「謀略とは無縁である」
「そうした方ですね」
「あの方は」
「そうよ、だからそこがね」
その謀略を使わないところがというのだ。
「問題よ、彼は能力が高くスキャンダルとは無縁で清潔でもあるからね」
「謀略を仕掛けてもですね」
「通じない」
「それは、ですね」
「そうよ、だから彼には使わなくても」
それでもというのだ。
「外務省や内務省について話した通りよ」
「そういうことですね」
「要するに」
「そうしていくのですね」
「そうよ、末端や中堅をね」
国防省の者達をというのだ。
「攻めていくわ」
「まさに将軍を射るならですね」
「馬を射よ、ですね」
「例えその馬もまた鎧に身を包んでいても」
「それでもですね」
「そうしていくわ、確かに馬を鎧で覆っていると厄介よ」
伊東はこの例えにこう述べた。
「本当にね、ただそうした馬でもね」
「それでもですね」
「無敵ではないですね」
「左様ですね」
「絶対に倒せない訳ではないですね」
「倒しにくくても」
例えそうであってもというのだ。
「倒せるわ、鎧で身を包んだ馬というと連環馬ですね」
「水滸伝に出て来た」
「あの戦術ですね」
「三十の騎兵を鎖で繋いで横一列にした」
「あの戦術ですね」
鉄の鎧で武装した騎兵と馬達をそうしたのだ。
「あれは作中では確かに凄いですね」
「梁山泊も苦労しました」
「けれど攻略出来たわ」
作中では苦戦の結果知恵を使ってそうした、水滸伝の中での見せ場の一つであり人気もかなり高い部分である。
「そうだったわね」
「連環馬も無敵ではなかったですね」
「鎧で身を包んだ馬も」
「それならばですね」
「そう、絶対に破れないものはないのよ」
それこそというのだ。
「だからね」
「若し国防省も出て来るなら」
「それならですね」
「その時はですね」
「それでね」
まさにというのだ。
「仕掛けてくるわ、最悪ね」
「最悪?」
「最悪といいますと」
「一体」
「ええ、中央政府全体がね」
複数の省庁だけでなくというのだ。
「出て来るだけじゃないわね」
「はい、中央政府全体がですね」
「こちらに仕掛けてきて」
「全体であたってくる」
「そうなる場合もありますね」
「何度もあったわ」
実際にというのだ。
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