第百十二話 九月が進みその四
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「無視するんだ」
「マスコミはね」
「あいつ等は本当にタチ悪いしな」
「取材の時だってマナー悪いのよね」
「ああ、うちの会社に来た時もな」
「八条石油ね」
「神戸の本社にあるテレビ局の連中が取材に来てな」
そうしてというのだ。
「物凄く態度が悪くてな」
「問題になったのね」
「ああ、会社の中の文章まで勝手に持ち出そうとしたりな」
「それ犯罪でしょ」
「犯罪でもな」
そうしたことでもというのだ。
「あいつ等はな」
「やるのね」
「平気でな」
それでというのだ。
「やるからな」
「注意しないと駄目ね」
「災害の時もな」
「マスコミはそうなのね」
「大変な時にヘリで取材するんだ」
「ああ、それでヘリの音が五月蠅くて」
「救助活動の邪魔になるからな」
このことは常に問題になっているがマスコミが行いをあらためることはない。
「しかもそれであちこち燃えていて温泉街みたいだとかな」
「言ったのね」
「それで被災地の人達が怒ったんだ」
阪神大震災の時に実際にあったことである。
「何言ってるんだってな」
「無神経なことも言うから」
「余計にな」
このこともあってというのだ。
「災害の時はな」
「マスコミにも注意ね」
「正直あいつ等が一番邪魔なんだ」
父はこうも言った。
「火山が噴火して危ない時に火口まで言ったりな」
「それ本当に危ないでしょ」
「それで行くなと言われても行ってな」
この時も報道の自由を口実にしていた、雲仙普賢岳でのことだ。
「行って物凄い迷惑だったんだ」
「マスコミの人って滅茶苦茶ね」
「しかも偏向していて勉強もしないからな」
「余計に悪いのね」
「キャスターやコメンテーターなんかいい加減だろ」
テレビの彼等はというのだ。
「何でも言い放題だろ」
「無責任にね」
「それでどんな被害が出てもな」
所謂風評被害がだ。
「あいつ等は責任を取らないしな」
「余計に悪いのね」
「そうだ、責任を取らないでな」
そしてというのだ。
「やりたい放題言いたい放題なんてなったらな」
「悪くならない筈がなくて」
「ずっとそんなのでな」
日本のマスコミはというのだ。
「変わってないんだ」
「酷いままね」
「ずっとそうでな」
それでというのだ。
「変わってないんだ、だから今どんどん人が離れてるだろ」
「そうね」
「碌でもないところからはな」
「人は離れるわね」
「お父さんも今はネットの方がな」
「よく観るのね」
「ユーチューブの動画の方がいいしな」
テレビを観るよりもというのだ。
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