第一幕その二
[8]前話 [2]次話
「空を飛ぶ乗りものを貸して下さるぞ」
「そうなのか」
「確かにノームの国は以前都に攻め込もうとした」
「前のラゲドー王がね」
「それで気兼ねしているかも知れないが」
それでもというのです。
「オズの国は遠慮は無用だな」
「そう、それが決まりだよ」
まさにとです、カリフ王も答えました。
「この国のな」
「それならだ」
「オズマ姫にお願いしてか」
「乗りものをお借りして」
「歴訪をすべきか」
「わし等もそうしているしな」
ドワーフ王は笑ってお話しました。
「空に行く時はな」
「ドワーフの国も地下にあるしな」
「お前さん達と同じくな」
「ノームとドワーフは近い」
「左様、兄弟の様にな」
「色々似ている部分も多いしな」
「それで空とは基本無縁だ」
地中にいるとです。
「そこで空に行く時はな」
「オズマ姫にお願いしてか」
「空の乗りものをお借りしてな」
「そのうえでだな」
「行くぞ」
「それでわしもか」
「そうしたらどうか、少なくとも今ノームの国と都の仲は悪くないだろう」
ドワーフ王はこうも言いました。
「そうであるな」
「悪い筈がない」
これがカリフ王の返事でした。
「今のオズの国は誰もがだ」
「仲がいいな」
「だからノームの国も空の国々とだ」
「仲良くしていてな」
「そしてだ」
そのうえでというのです。
「都ともな」
「オズの国全体を治めるな」
「その国ともな」
「仲良くしているな」
「あまり付き合いはないが」
「仲はいいな」
「今はな」
「それならだ」
尚更というのです。
「ここはだ」
「オズマ姫にか」
「お願いするのだ」
「そうすればいいか」
「そうだ、いやしかしな」
ドワーフ王は笑ってこうも言いました。
「我等が空に行くなぞな」
「時代は変わったな」
「そうだな、昔はな」
「わし等が空に行くなぞな」
「想像もしなかった」
「地中にいるとな」
それならというのです。
「もうな」
「そうだ、ずっと地中にいてな」
「地上に出ることすらだ」
それこそというのです。
「なかった」
「そうだったな」
「それがだ」
「今は地上どころかな」
「空にも行ける」
「まことに世の中は変わった」
「本当にそうだな」
こうしたお話をしました、そしてです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ