第三十話 勇気その十九
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「そうした風かしら」
「そうも言えるかもな」
空汰は嵐の言葉も否定しなかった。
「兎に角な」
「私達とは何かが違うわね」
「天の龍であってもな」
「独特のものがあるわ」
「あの人のな」
「それを感じるわ」
どうしてもというのだ。
「私もね」
「そやな」
「死なないで欲しいわ」
嵐は自然とこの言葉を出した。
「あの人にも」
「そうですよね」
護刃も心配そうに応えた。
「私達皆そうで」
「あの人もね」
「絶対に」
「それ言うたらわいもか」
空汰は星見の僧正に言われたことを思い出しつつ言った。
「そうなるか」
「勿論ですよ」
護刃の返事は一も二もないものだった。
「死んだら駄目ですよ」
「そうなんやな」
「死ぬ運命でも変えて」
空汰のそれを知らないまま答えた。
「そしてです」
「生きるべきやな」
「そうしましょう、そして戦いが終わったら」
その時のこともだ、護刃は話した。
「皆で美味しいもの食べましょう」
「ええな、ほなそうなる様にな」
空汰は自分の運命のことを思いつつ応えた、それを隠したうえで。
「やっていこうな」
「そうしましょう」
「はい、僕達も皆さんと戦い勝つつもりですが」
「殺す為じゃないわ」
??と颯姫も言った。
「あくまで地球の為で」
「そんな殺すとかじゃないです」
「だから貴方もね」
「生きられるなら生きて下さい」
「そうするな、ほな墓参りはな」
空汰は地の龍の二人の言葉にオムライスを食べつつ微笑んで話した。
「あんじょうな」
「していくわ」
「星史郎さんと一緒に」
「そうするんやで」
こう二人に言った、そしてだった。
今彼等は共に食事を摂った、敵同士であってもそこにあるものは穏やかなものであり悪いものではなかった。
第三十話 完
2023・6・1
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