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第三十話 勇気その十六

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「お墓参りもな」
「しているの」
「人の心がわからん奴はおる」
 颯姫に話した。
「勿論痛みもや」
「わからないの」
「わかろうともせんというかな」
 この言葉はやや首を傾げさせて話した。
「そしてな」
「お墓参りもな」
「そんな人はせんわ」
「星史郎さんが自分で言う様な人なら」
「絶対にな」
「そうなのね」
「ほんまお墓には人がおる」
 死んだ者がというのだ。
「魂の形でな」
「そこに行くとなると」
「人の痛み、心がわからん人はな」
「お墓参りはしないのね」
「絶対にな」
 まさにというのだ。
「ほんまそんな人もおるからな」
「世の中には」
「それで遊んでばかりや」
 墓参りなぞ行かずにというのだ。
「しかもそれを言うとヒス起こすんや」
「ヒステリー。意味がないわね」
 颯姫は人間のその行動は冷静に言い捨てた。
「そんなことをしても」
「そやけどな」
「言われると怒ってなの」
「そうする人もおるんや」
「愚かと言っていいかしら」
「そうかもな、しかしそれもな」
 そうした行動を取ることもというのだ。
「人間でな」
「それでなのね」
「そうしたことをしてな」
 そしてというのだ。
「嫌がるんや、けどな」
「星史郎さんは違うんじゃないですか?」
 護刃も考える顔で言った。
「本当に人の痛みがわからないならです」
「そんな人はですね」
「お墓参りしないですよ」
 ??に対して答えた。
「私もそう思います」
「それでは」
「はい、星史郎さんはです」
 彼はというのだ。
「実はです」
「人の痛みがわかって」
「それでご両親のこともです」
 墓にいる彼等のこともというのだ。
「今もじゃないですか?」
「今もといいますと」
「愛情があるんじゃないでしょうか」
「あの人は」
「はい」
 こう言うのだった。
「人のそれがあるんじゃないでしょうか」
「そうですか」
「やっぱりご両親ですから」
 彼から見てというのだ。
「実はです」
「星史郎さんは」
「それに??さん達も悪い印象受けてないですよね」
 護刃は??達を見つつ言った。
「星史郎さんに」
「そんな感じはしないわね」
「そやな」 
 空汰は嵐の言葉に頷いた。
「話してること聞いたら」
「全くね」
「これがな」
「はい、実際にです」
「悪い印象はないわ」
 二人でそうだと答えた。
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