第八十四部第四章 続く会談その三十五
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「それぞれね、そして」
「両者を争わせ」
「そこを衝いてですね」
「我々は国益を得る」
「我々の国家の権限を守り拡大していきますね」
「そうするわ、では外務省と内務省のスタッフのことを把握して」
各員、一人一人のそれをというのだ。
「そしてね」
「そうしてですね」
「各員が欲しいものを贈る」
「そうしていってですね」
「篭絡していきますね」
「人が欲しいものは様々よ」
金銭だけではない、伊東はこのことを熟知していた。そうしたことがわかってこそ贈りそうして篭絡することが出来るというのだ。
そしてだ、伊東はさらに言った。
「車や服、アクセサリーそれにね」
「異性や同性もありますね」
「美酒や美食の場合もあります」
「食べものにしても様々です」
「実に多いですね」
「そのそれぞれを贈って」
そうしてというのだ。
「取り込んで」
「我々の為に動いてもらう」
「そうして外務省も内務省もですね」
「争ってもらいますね」
「その際注意することは」
伊東はさらに言った。
「わかっているわね」
「金内相ですね」
「あの方に気付かれないことですね」
「そのことが大事ですね」
「そう、彼女は清廉潔白にしてね」
そうしてというのだ。
「非常に視野が広くかつ細かいところまでね」
「気付く方ですね」
「そして気付けば動く」
「そうした方ですね」
「若し私達が職員達の篭絡を進めていることを知れば」
その時点でというのだ。
「すぐに防いでくるわ」
「だからですね」
「金内相に気付かれない」
「それが重要ですね」
「しかも内務省だけを見ていないわ」
自分が統括する省庁に留まらないというのだ。
「勿論外務省を見ていて」
「そしてですね」
「他の省庁も見ていて」
「そのうえで、ですね」
「手を打ってきますね」
「そうした人だから」
それだけにというのだ。
「気を付けることよ、またカバリエ外相もね」
「あの方も見ている人もですね」
「そして気付く人です」
「しかも動く」
「そうされるので」
「だからね」
それでというのだ。
「決してね」
「見付からない様にする」
「カバリエ外相に対しても」
「そうされますね」
「相手はお一人だけではないですか」
「そういうことよ、双頭の蛇を争わせるにしても」
それでもとだ、伊東はさらに話した。
「それぞれの頭がいいのなら難しいわね」
「確かに。そうすれば蛇は容易に自滅しますが」
「若し争わないならです」
「厄介です」
「まして動きを合わせられたら」
「問題よ、見抜かせないことが」
まさにというのだ。
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