七十三匹目
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のだという。
伝承が定かであれば、お祖母様は数十世紀は生きているだろう。
まぁ日本でやらかしたあと頭を冷やすため力の大半を殺生石に自らを封じて外界を眺めていたとの事らしいが。
「気が長いなぁ」
「ま、ゆっくり大人になればいいと思いますよ?
貴方の家族も、姫様も、長命種ですしね」
しばらく訓練の様子を見ていると。
「シラヌイ」
何故か若干ピキッた雰囲気のお父様が来た。
珍しい。
本当に珍しい。
というか始めてみた。
お父様が怒りを感じている場面。
「お父…様?」
「こら。シラヌイ君を怖がらせちゃダメでしょうブーミ君」
トゥルペさんが注意すると、お父様はすまないと言って顔を両手で覆った。
少し目元を揉むようにして、両手を離す。
「シラヌイ」
「はい」
「無言無呪具で魔法は撃てるな?」
一応使えるけど、複雑なのは魔導書とか指輪がないといけない。
「...たぶん?」
「射程距離は?」
どのくらいだろう?
ただまぁ、届かせるだけなら、そうだなぁ。
「とりあえず半里以上は」
「使える属性は?」
「基本4属性と、発展をいくつか。魔導書とかの補助具ありならけっこう安定して」
「よろしい!」
お父様は満足気にしながら、先程まで指導していた一団を指さした。
「すこしあのお調子者達をぶちのめs」
とそこでアトラさんがトゥルペさんのワンドをもぎ取ってお父様の脳天をぶっ叩いた。
「まったくこの親バカが」
アトラさんが頭を抑えて蹲るお父様を糸でぐるぐる巻きにした。
逆さ吊りで、あしの先の糸をアトラさんに持たれている。
アトラさんが一歩歩くたびにぷらーんぷらーんと揺れるお父様を追って、一団へ向かう。
「おとうさま何したの?」
簀巻きにされ、逆さ吊りにされたお父様に問いかける。
「いや…その…」
「どうせシラヌイ様のほうが強いとか言ったのでしょう。
あれらは上澄みとはいえ、種族適正的にシラヌイ様やクソガキに魔法で敵うはずがありません。
そしてそのための武器術です」
アトラさんが視線をこっちに向ける。
「シラヌイ様」
「はい」
「あなたには魔法の才能がある。ですがそれにあぐらをかいていては足元を掬われます。」
「肝に銘じておきます」
するとすこし表情を和らげて言った。
「よろしい。ではあのお調子者を懲らしめるのを手伝ってください」
「言ってることが違う?」
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