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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
信託-とどける-
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んじゃった…!あたしだけが残っちゃった…!どうして!?どうしてあたしが生きてるんだろう!?あたしが死んでれば…こんなことにはならなかったのに!!」
「……それは違うな。」
泣いている人を慰めたり、激励したりすることはまず俺はしない。
俺の言ったことが間違っていた場合、思わぬ方向に進めてしまうかもしれないし、その人の地雷を踏みかねないと思っているからだ。
しかし、
「お前の夫と妹は確かに死んだ。だが、お前のやり方に付いてきて、生きてこれた人はいる。」
間違っていることは、間違っているといい正す。
「己の行いを無駄だと卑屈になるな。それはお前についてきた人達を否定することになる。」
「……。」
「同じ信念を持ち、お前と共に戦い死んでいった者達。その死を無駄にすることは侮辱だ。」
言ってしまえば、もう戻れない。
死んでいった者達の思いを背負い、進んでいくしかない。
鎧で飾り立てた彼女は弱い。だが、そうするしかないんだ。
「そんなカッコ悪い姿、今の姿を身内に見せられるか?」
「……!」
カッコ良く、あり続けるしかないんだ。
「……!」
その時、彼女の場所だけ雨が止む。
何事かと思いふと顔を上げてみれば雨が止んだのではなく、
「傘くらいさせよマスター。風邪なんてひいたらダサいったらありゃしないぜ?」
「シャル…。」
上半身に包帯をぐるぐる巻きにしたシャルルマーニュだ。
「…動けるのか?」
「まぁなんとかな。ただまだランスロット卿にやられた傷は痛む。あーーあ!派手にやられたなぁ!!カッコ悪い以外なんにもねぇ!!」
傘を団長に手渡し、それからシャルルマーニュは雨の降りしきるレジスタンス跡地に向かってそう叫んだ。
「……。」
彼女のことは彼女のサーヴァントに任せよう。
そう思い、俺はそこから少し離れた木陰に移動する。
「すまないな。オロバス。」
そこにいたのは大きいせいで中に入れず、とりあえず木陰の下で雨宿りをしているオロバスだ。
何、心配ないといった面持ちで俺の事をじっと見つめている。
「…オロバス。」
オロバスの背中を撫で、俺はあることを話す。
ただふれあいたいために来たわけじゃない。
俺は彼女に大事な話をしに来たんだ。
「…?」
「今から言うことを、よく聞いてくれ。お前は……
?
翌日。
昨晩から降りしきる雨は早朝には止み、眩しいほどの朝日が顔を覗かせた。
それから非常食であまり美味しくは無い朝食を済ませると、
「諸君。昨晩は迷惑をかけた。」
一同が集まった場所に、団長がやってきた。
昨日の姿では無い。いつも通りの、レジスタンスの騎士団長としての彼女だ。
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