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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
信託-とどける-
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あれだけ爆発音が絶えなかったここら一帯が、急に静かになる。
どうやら全てのゾンビ兵が爆発し終えたらしい。
「……。」
戦闘音も聞こえない。
爆発音に混じって車両のエンジンの音が聞こえたが、やはりそうだろう。
奴らは目的を終えた。
つまり、
「俺達は…負けた。」
暫く走り続け、開けた場所に出て俺は理解させられる。
俺達は負けたのだと。
そこにいたのは傷を負ったシャルルマーニュ。
そばで項垂れるシャロン。
それと、
「武蔵!」
その場で立ち尽くす武蔵。
「……。」
「何があった、って聞かないのね。」
駆け寄ってみると分かった。
彼女はただ立ち尽くしてるだけじゃない。
「ああ、周りとお前の様子を見ればわかる。相当悔しかったらしいな。」
その二刀を握っている両手。
負けた悔しさのあまり握り込みすぎて、彼女の足元には手から滲んだ血がポタポタと垂れている。
この様子からして、負けたことは分かった。
「……。」
「死んだ。みんな死んだわ。」
「あぁ。」
「お世話になった人も。あんなに優しかった人も、一緒に苦楽を共にした人も、何もかも、全部。」
俺達がどう足掻いたとて、財団に勝つことは出来なかった。
そのあまりにも巨大な組織だからこそできる、数の暴力。
ゾンビ兵を用いた人海戦術からの自爆特攻。
奴らに歯向かうことは、愚かな事なのか?
そう思わせるほどの、見事な完敗。
しかし、
「…!」
ふと顔を上げる。
「どうしたの?」
「なにか聞こえる。」
くぐもった声が聞こえる。
どこかと見渡すと、崩れた瓦礫が動き出し、やがて一際大きな瓦礫がズレる。
そこにいたのは
「お前達は…!」
「竜胆の兄貴!!ご無事でしたか!?」
希望はまだ潰えていなかった。
とはいっても、
残されていたのは極わずかだが。
?
「柏原、サーヴァントは?」
「ここにいる武蔵、ブーディカ、ガウェイン、シャルルマーニュを残して全滅。人員も多くを失いました。ゾンビ兵の自爆で死体すら残らなかった者がほとんどです。」
戦いの後を洗い流すかのように雨が降り注いできた。
なので破棄された葛城財団のトラックに避難する。
「食料は?」
「地下に貯めてたものがまだ無事でした。1週間は持つかと。でも薬などの医療品は徹底的に…。」
「とりあえず奴らの物資から救急キットは見つかった。クリスの一命はとりとめられる。」
生き残った彼らから一通り状況を聞く。
全滅していたとはいえ、良いものとはいえない。
それに何より
「あの…団長は?」
「外だ。頭を冷やしたいと言って雨風に打たれている。」
この状況に何よりも責任
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