第六十九話 挟撃
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並んでいる。此方は中央に第十二艦隊、右翼第二艦隊、左翼第一艦隊…という布陣だ。俺達は百隻の護衛艦艇と共にその後方に位置している。当初は十二艦隊旗艦に乗り込むつもりだったのだが、ボロディン提督に止められた。
『戦闘の渦中に居ては冷静な判断が出来ないでしょう。宇宙艦隊司令部の任務は戦闘を行う事ではありません。指揮機能を有する戦艦と護衛をつけますので、総参謀長におかれましては後方から指揮をお願いする』
ボロディン提督…。せめてボロディンやウランフが生きておれば…とアニメ劇中でも語られていた。アニメを見る限りそれほど有能には見えないのだけど、そう言われるって事は有能なんだろうなあ。目下の人間にこういう心遣いが出来るとなると、有能かどうかは分からないけど無能では無さそうだ。有り難く甘える事にした。与えられた戦艦は旗艦級戦艦アストライオスだった。艦型から判断すると、おそらくヒューベリオンの同型艦だ。
『まさか旗艦戦艦の艦長を任されるとは思いませんでしたよ、総参謀長』
『総参謀長はやめてくださいよ、ガットマン中佐』
『でも、そうでしょう?エル・ファシル時代が懐かしいですな…仮とはいえ宇宙艦隊総旗艦の様な艦の指揮を執るなど、なかなか経験出来る事ではありません。誠心誠意、艦長職を務めさせていただきます』
急な要請だったけど、ガットマン中佐は旗艦艦長職を快く引き受けてくれた。代わりに彼のケンタウリは十二艦隊に編入されてしまったが、旗艦艦長、しかも総旗艦の艦長などなかなか任命されるものではない。言葉は悪いがその件は彼にとってはどうでもいい事の様だった。
敵艦隊動き出しました、とオペレータが叫ぶ。スクリーンの概略図を見ると、帝国艦隊は陣形は変えずに前進して此方を圧迫する様だ。ローザス少尉は緊張からだろう、身を硬くしている。オットーは軽く肩をまわした後姿勢を正し、マイクはベレー帽を被り直しながら鼻唄を歌っていた。ヤンさんもベレー帽をとって頭を掻いた後被り直す癖があったな…。
敵艦隊イエローゾーンを突破、と再びオペレータが叫ぶ。俺の号令で戦闘が始まる…胃が痛い。参謀と指揮官ではこうも違うものなのか。
「…各艦隊に命令。攻撃を開始せよ」
02:00
銀河帝国、銀河帝国軍、遠征軍艦隊旗艦スノトラ、
クライスト
“叛乱軍艦隊、発砲!”
「此方も攻撃開始だ、撃て」
敵は三個艦隊、味方は四個艦隊、だが数はほぼ同数…残りの敵四個艦隊はアムリッツァに待機、若しくはボーデンに回したのだろう。ヒルデスハイム伯はシャッヘンを出て此処に向かっている頃だろうか。伯の艦隊を合わせても味方は叛乱軍七個艦隊には及ばない。となれば、分かれた敵の一方の撃破に専念するのみだ。叛乱軍の立場からすれば、フォルゲン、ボーデンのどちらかに此方が現れたなら、それに
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