第三十一話 天平の宴の後でその二
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「時代によって変わるし」
「それもあるし」
「ほんまな」
「時代によってお料理も変わるね」
「そうなるわ」
まさにというのだ。
「どの国でも」
「そういえばアメリカも建国当初の食事と今はちゃうわ」
メルヴィルはこのことを実感する様に言った。
「調べたら」
「建国当初っていうと」
「ほんまイギリスのや」
「あの頃のやね」
「お料理でフライドチキンとかな」
こうした料理はというのだ。
「一切な」
「なかったね」
「ああ、ピューリタンの食卓で」
建国当初のアメリカはというのだ、これはイギリス本国の弾圧を逃れたピューリタン達が逃れて来て植民したからだ。
「もう粗食でな」
「質素をよしとする宗教で」
「それでや」
「最初のアメリカ料理って」
「建国当初は貧しかったしな」
このこともあってというのだ。
「ほんまな」
「今と全然ちゃうんやね」
「食えたらええ」
メルヴィルはこうも言った。
「そんな風やったわ」
「ほんま今と全然ちゃうかったからな」
トウェインも言って来た。
「昔のアメリカ料理は」
「食べられたらええで」
「美味いもん食うって発想がな」
これ自体がというのだ。
「あまりなかったわ」
「それうちも聞いてたけど」
「ほんまちゃうで」
昔のアメリカ料理と今のそれはというのだ。
「ハンバーガーもフライドチキンもない」
「サンドイッチもピザもステーキもやね」
「サラダもマッシュポテトもな」
「凄いね」
「ああ、今のわい等には質素過ぎるわ」
「昔のアメリカ料理は」
「そうしたもんや」
苦い顔でこう言うのだった。
「ほんまな」
「時代がちゃうとやね」
「お料理もそうなるわ」
「全くちゃうね」
「そや」
「それ言うとや」
オーストラリア人のシェリルも言って来た。
「我が国は羊も牛もな」
「イギリスから人が入植してやし」
「それで持ち込んださかいな」
羊や牛をというのだ。
「アボリジニーの間ではな」
「完全に狩猟で暮らしてて」
「そんなん知る筈もなかったわ」
それこそというのだ。
「色々食べてミツアリとかもな」
「食べてたんやね」
「蛙絞ってそのお水飲んだりな」
砂漠地帯でのことだ、起きた世界のオーストラリアは中央部が広大な砂漠地帯グレートディバイディング砂漠と呼ばれるそれになっているのだ。
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