第九十話 欲情の自覚その十一
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「そうすればね」
「かなり防げますね」
「そうよ」
こう言うのだった。
「本当にね」
「いや、余計にわかりました」
留奈も青い顔になっていた、そのうえで言うのだった。
「ゴムって大事ですね」
「よくわかったでしょ」
「自分を守る為にも」
「加藤清正さんもそれで死んだらしいしね」
戦国大名だった彼もというのだ。
「結城秀康さんもね」
「そうした人達もですか」
「豊臣秀吉さんもって話があるし」
「そういえばあの人晩年急におかしくなってますね」
天下統一を成し遂げた後は何かと失態を犯している、それまでの冴えが嘘の様にそうしたことが多くなっているのだ。
「言われてみれば」
「それはね」
「何故かっていうと」
「梅毒のせいともね」
「言われてますか」
「あの人女好きだったでしょ」
店長は豊臣秀吉のこのことも話した。
「そうでしょ」
「言われてみますと」
「そのせいかね」
「梅毒にですか」
「なったともね」
「言われてるんですね」
「ええ、それでおかしくなって」
その晩年はだ。
「最後もね」
「梅毒で、ですか」
「そう言われてるのよ」
「そういえばあの人お子さんあまりいないですね」
ふとだ、一華は思い出した様にこのことを言った。
「女好きなのに」
「あれおたふくになったかもってね」
「言われてるんですか」
「ええ、それも大人になって」
それからというのだ。
「なったから」
「お子さんはですか」
「いなかったんじゃないかってね」
「そうした説あるのよ」
「あれっ、いますよ」
留奈はここでそれはないといった声で店長に言った。
「秀吉さんのお子さんは」
「秀頼さんね」
「その前にもお子さんいましたし」
秀頼の兄の捨丸である、尚二人共母親は淀殿と後に呼ばれることになる茶々浅井長政とお市の方の長女である。
「他にもどなたか」
「実は四人位いるって言われてるのよね」
「そう聞いてますけれど」
「だから一説ではよ」
店長はこう前置きして話した。
「実はお子さんいないんじゃないかってね」
「言われてるんですか、ってことは」
留奈ははっとした顔になって言った。
「秀頼さん達実は」
「秀吉さんのお子さんじゃないんじゃないかってね」
「言われてるんですね」
「当時から言われてたらしいわ」
それこそ秀吉が生きていた頃からだ。
「秀吉さん小柄でしょ」
「それ有名ですよね」
今度は理虹が応えた。
「お猿さんみたいだって」
「ええ、それでも秀頼さんはね」
息子である彼はというのだ。
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