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羊のバーベキュー
第一章

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               羊のバーベキュー
 会社のレクレーションでバーベキューをすることになった、その際古田功男は同僚達に笑って言った。長方形の顔でややエラが張っていて目は小さい。セットした茶色の髪の毛を真ん中で分けていて一八〇近い逞しい身体の持ち主だ。
「羊の肉も持って行こうな」
「えっ、羊ですか?」
「羊って匂いしますから」
「止めた方がよくないですか?」
「いや、匂うのはマトンなんだよ」
 こちらだというのだ。
「ラムは匂わないんだよ」
「マトンは大人の羊の肉でしたね」
「ラムは子羊で」
「じゃあラムですか」
「それを持って行くんですか」
「匂いが苦手な人の為にラムも買ってな」 
 こちらもというのだ。
「皆で食べような」
「わかりました、それじゃあ」
「羊の肉も買いましょう」
「それでバーベキューしましょう」
「ああ、そうしような」
 古田は明るく言った、そうしてだった。
 食材を買って休日に然るべき場所でバーベキューを行ったがそこで誰もが大量のマトンやラムを見て話した。
「安かったな」
「ああ、これだけ買ったのにな」
「牛肉よりずっと安く済んだし」
「凄いな」
「羊肉って安いんだよ」
 古田はその羊の肉が入ったビニール袋を持ちつつ話した、マトンとラムそれぞれ別の袋に入れられている。
「だから沢山買えるんだよ」
「オーストラリアやニュージーランドから買えて」
「それで、ですね」
「量も多いんですね」
「そうさ、じゃあ皆で食おうな」
 笑顔で言ってだった。
 古田は自分からマトンやラムを焼いて同僚達に食べてもらった、すると食べた同僚達は口々に言った。
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