第二章
[8]前話
「もうね」
「黒字をですか」
「目指さないと駄目よ」
そうだというのだ。
「それならね」
「そうですか」
「だからよ」
美奈子はさらに話した。
「確かに私は俗にセレブと言われてるけれど」
「お金持ちの道楽じゃなくてですか」
「真剣によ」
「お店やってるんですね」
「元々やるからには真面目にって性分だし」
自分で言うのだった。
「それで好きだし尚更ね」
「真剣にやられてるんですね」
「美味しいものをそれに相応しいお値段で出してよ」
「お店はいつも奇麗にして」
「サービスも手を抜かないのよ」
「それでお金も稼ぎますか」
「稼いだお金は貯金してるわ」
その使い道も話した。
「生活費とかこともの教育費は主人の稼ぎでやってるけれど」
「マンションの家賃とかも」
「けれどいざって時に備えて」
それでというのだ。
「貯金してるわ」
「セレブでもですか」
「いや、本当に世の中何時何があるかわからないから」
そうしたものだからだというのだ。
「それでよ」
「貯金してますか」
「そうよ」
「ううん、セレブだから道楽とか豪華にとかは」
「少なくとも私はないから」
このことはきっぱりと断った。
「それで柳ちゃんにもアルバイト代支払ってるでしょ」
「そうですね、じゃあこれからも」
「真面目にやってくからお願いね」
「わかりました」
柳は笑顔で応えた、そしてだった。
大学に在籍している間この店で真面目に働き就職してからも勤務先と近いので時々行った。すると店はいつも彼女がアルバイトをしていた時の様に真面目に営業されていて美奈子の接客もそうであった。
セレブ妻の喫茶店 完
2023・8・16
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