第二節:「みんなで一緒にアルペジオ」
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それほど優秀ではない俺が、今回の授業に応募した理由がコレだ!
俺はきっと凄いギタリストにはなれないだろう。
でも及第点は超えてる先生にはなれると思う。
勿論努力をしないとダメなのは当然だけど。
「あともう一つ注意事項な!」
何だろうか?
リュカ先生の口調が少し厳しくなった。
「お前等からでも生徒側からでも同じだけど、肉体関係を迫ったり迫られたりして、その結果で成績を左右するなんて事は言語道断だ! 美少女もしくは美少年が目の前で裸になってお前等の一部をその身体に出し入れしてくれても、その美少女もしくは美少年の実力以上の評価をしてはならない。寧ろ辛口になれ! 厳しく技術や経験を積ませろ! 他人にモノを教えるとはそういう事だ。世の中での生徒の評価が、それ即ちお前等への評価である! 『あのギタリスト(もしくはベーシスト)、上手くもないのに色んな所で演奏してる(笑)』って言われてたら、お前等の育て方が間違ってた事になるんだ。賄賂や色気を差し出して巣立った者は、一人前になっても同じ方法でしか仕事を得られない。その方法しか学ばなかったからね。ちゃんと成長する方法を学ばせるのがお前等の仕事である。それを絶対忘れない様に」
きっとサム・ラゴウス先生の事だろう。
元先生と言うべきか……?
急に退職されて何があったのかと不思議に思ってたが、少しして女子生徒に手を出していた事が噂で広まってた。
「さてさて……難しい話はここまでにして、これから半年間の事をザックリ説明しよう」
先刻までの険しい表情はなくなり、優しい笑顔に戻ったリュカ先生。
俺等を見渡しコクリと頷く。
「君たちには今日この場でペアを作ってもらう……と言っても強制だ。ギターとベースの同じ色同士でコンビとして学んでもらう」
同じ色……と言う事は、俺の相方はケティーさんか。
みんな同じ事を思ったのか、それぞれの楽器の色を確認する様にキョロキョロする。
俺は端に座ってるから一目で全員を確認できた。
各人の楽器を確認していたケティーさんと目が合い、何となく無言で頷く。
「ペアを組んでもらう理由だが、何度も言うが君等に一番学んでもらいたいのは教え方だ。君等は今日から僕の生徒になると同時に、相方……つまり自分の専攻した楽器とは違う分野を学んでいる者……に教えていく先生とまではいかないが先輩として君等が教えていくんだ」
なるほど!
インプットをして直ぐにアウトプットをすることで、効率的に学べるって事か。
普段の勉強でも行う事だね。
「だから僕は、それぞれ専行している楽器以外の質問には答えない。ギター専行の者にならギターの事を、ベース専行の者にならベースの事しか教えない。疑問を持ったのなら相方に聞
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