アーティストとエンジニア:五限目『国家として』
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ま、待たれよ宰相殿……私の思い違いであった。その件こそMHの提供で解決しており、未だに解決しておらぬはティムアル殿下に対してだけであった。技術提供の件……快く引き受けようぞ」
マスタードラゴン様の声が上擦っているのが分かる。
普通、神様を脅しますか?
「最初っからそう言え」
宰相閣下は恭しく頭を下げながら、聞こえるような小声で言い放つ。
マスタードラゴン様の頬がピクピク痙攣しているのが分かる。
部下でこれなのだから、陛下自らが出張ってきてたらと考えると……怖いなぁ。
「で、では……もう良いかな?」
もう関わりたくないのだろう。
取り敢えず早々にこの場を解散させたがっている。
「良くはありませんわ、プサン様?」
しかし、終わらせないのが俺のフィアンセ。
可愛い声と美しい笑顔で、マスタードラゴン様をたじろがせる。
「先程、私の血筋について仰っておりましたわよね」
「も、申したが……何か気に障ったのなら謝ろう!」
必至だ。リューナの声も顔も怒ってはないが、絶対怒ってるってのが感じ取れるから。
「先程まではグランバニアという国の要請で話しを進めていましたが、ここからは私の個人的な訴えとなります」
「こ、個人的な……?」
「私の大切な敬愛する愛しのお兄様の命を蔑ろにした事……許せません! 姉妹の代表として私に贖罪して下さい」
「そ、そんな事言われても……先程の情報を発信・電波・受信する為の技術の提供で良いであろうに!」
「言いましたわよね! それはグランバニアに対しての贖罪であり、私個人への贖罪ではありません。別の知識を授けて頂く事で許しますわ?」
「一方的な! じゅ、寿命延長関連の知識であれば絶対に断るぞ!」
「そんな知識があるのですか?」
「無い!」
「では別ですわ」
「……内容による」
「私にルーラの知識をお教え下さい。そこから発展させて色々なマジックアイテムを作りたいと考えております」
「ルーラの!? だ、ダメに決まっておるだろう!」
「決まってなどおりません!」
「ルーラは高等な魔法だ。万人が簡単に使用できるようになったら、戦争利用が懸念される! 認める事は出来ない」
「認めてもらいます!」
「出来ぬ! 貴国は既に危険な武器を開発してるであろう。あれだけでも恐ろしい事になり得るのに、瞬間移動までアイテム化させるわけにはいかぬのだ」
「元を正せば貴方の所為でしょう! 貴方が神という立場に奢り、一国の現役国王を誘拐するから、今後に備えて他国からの武力介入を抑止する武器を開発せざるを得なかったのです! 国のトップが何時居なくなるか判らない……急に居なくなられ他国に隙を突かれて攻
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