第4話
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今のハドラーちゃんにとって、ザボエラは文字通り顔も見たくない裏切り者であった。
1周目では同じ魔王軍のメンバーとして、ハドラーと共にアバンやダイ達と戦った戦友であったザボエラ。
優秀な策士、強大な魔力、超魔生物の開発、最期まで大魔王バーンに反旗を翻さなかったなど、褒められる点が無いとは言い難いものの、マイナス点がプラス点を大きく上回ってるのが難点過ぎた。特に性格面の成長の遅さと人脈面の飽きっぽさは目を覆いたくなる程で、陰口・悪口の様なあだ名が多いのも特徴(欠点)である。
かく言うハドラーもザボエラに裏切られて見捨てられ、抜け駆けまでされ、結果的にザボエラの復権の為の踏み台にされた。しかも、運悪くザボエラ復権の為の踏み台にされた日が、ハドラーの手でバーンを殺せる最大のチャンスであった。
そんなザボエラを1周目の時は殺せなかったハドラー。その理由は、超魔生物化に大きく貢献した事とザボエラの息子ザムザの死を悼んでの事。だが、今のハドラーちゃんにザボエラから受けた恩に報いる気持ちは一欠けらも残っていなかった。
その後、過去を振り返る度に憎きザボエラを思い出すを繰り返したハドラーちゃんは、1つの悲しい結論に至ってしまった。
「それってつまり……アバン達が必死に修行の旅をしている間、俺は地底魔城で暢気に踏ん反り返っていただけだと言うのか!?」
そう思った途端、1周目の自分の情けなさに罪悪感を懐き、アバンに謝意の品を送りたくなった。
(今のアバンが最も欲しい物は俺の頸だろうが、俺がバーンの頸を狙っている内は無理だ。かと言って、アバンが何を貰ったら喜ぶのかを知らん……どうしたものか?)
だが、悩みながら無意識で行った行為が、ハドラーちゃんに1つの答えを与えた。
(ん?……これだ!)
思い立ったが吉日とばかりにロモス王国に急行するハドラーちゃん。
目の前に現れたハドラーちゃんに驚きつつも虚勢の叫びをあげるシナナ国王。
「貴様ぁー!わしの国に何をする気だぁー!?」
そんなシナナ国王の虚勢を観たハドラーちゃんは、ザボエラへの猜疑心を更に大きく膨らませた。
(フローラ王女といいこのチビデブといい、指導者にとって王族の責務から逃げる事は恥だと言うのか……たく、ザボエラにもこれ程の根性が有れば)
だからと言って、シナナ国王の爪の垢を煎じてザボエラに飲ませても意味は無いし、サババでの再戦に遅刻する訳にもいかない。
それに、今日ロモス王国に来た理由は、ロモス王国を陥落させる訳でもなければ、ザボエラに嫌がらせをする為でもない。
「王の心が折れた時点で国の負けと言う訳か?だが、臣民無き国を国と呼んで良いと思うか?」
そんなハドラーちゃんの言葉が、シナナ国王の警戒心を更に煽った。
「何が言いたいんだ、貴様?」
その途端
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