篠ノ之束という人物
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らしいな」
「そ、それは………」
「行こうぜ一夏。今は時間が惜しい」
一夏を押しながら俺は出口に向かった。
大体、ああいう人間は嫌いだ。
(この世界、段々とつまらなくなってきたな……)
自分が持つ力がどれだけ凶悪のモノかわからず、それを振り回すとはな。
俺たちが向かったのは寮の入口。そこで俺は袋の中から木刀を取り出す。
「ほら、これを使って俺に攻撃してこい」
木刀を投げて渡す。
「え? でもお前、防具を付けていないだろ?」
「……いらねぇよ」
その答えをどう受け取ったか知らないが、一夏の顔が少しばかり鋭くなる。
そして駆け出してくるが、どれもこれもぬるかった。
「……お前、どうして、平然と……」
「実力の差だ」
これでも命を狙われたは一度や二度じゃないのだ。俺は。
「……で、篠ノ之。お前はそこで何をしているんだ?」
後ろの茂みから気配を漂わせている篠ノ之の方を見て声をかける。
「な、何故わかった!?」
「は? お前、自分がすごいと勘違いしてないか?」
はっきり言ってそうでもない。相手がどれほどの実力の持ち主かわからないが、生身で戦えば目の前の馬鹿とは違って少しは持つだろう。
そこでふと気付く。
(確か、『篠ノ之』だよな?)
ISの創始者と同じ苗字だ。となると、本人は妹なのだろうか?
「篠ノ之、お前は『篠ノ之束』の関係者か何かなのか?」
「!?」
今の反応。そういうことか。
「一夏、あいつとISの創始者とはどういう関係だ?」
「姉妹だよ。ただ、その……」
(……どうやら、姉妹の仲は悪いらしいな)
一夏の言葉の濁し具合でわかった。
「皆まで言う必要はない。ただその事実だけを知りたいだけだ」
「悪いが、私はあの人とは―――」
「別にその女性に会おうとは思っていない。気を悪くしたなら、悪かったな」
まぁ、今まで比べられて生きてきたのだろう。でも、
(有名人の家族って、変に期待されるんだろうな。それに、狙われやすい)
その人自身にどれほどの影響力があるかは知らないが、警戒するに越したことはないだろう。
だから俺は一応持ってきた的を幹が太い気に苦無をで刺して、グロッグのエアガンを篠ノ之に渡した。
「……どういう意味だ?」
「本当ならお前みたいな要人に人を殺す覚悟を持って銃を持たせておきたいってのが本音だが、見た限りお前はそっちに関してはど素人。だからまずエアガンで慣れてもらおうと思ってな」
射撃の構えを修正させながら的確に撃てるように指示していく。その間に一夏には素振りをさせていた。
■■■
「一夏、『
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