第三十話 勇気その十
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「そのつもりもないわ」
「そうだね、それじゃあ」
「やがて時が来れば皆にも話して」
そうもしてというのだ。
「そしてね」
「そのうえでだね」
「あの人を抑えるわ」
「あの人こそね」
「人間を滅ぼそうとしているわ」
「そうだね」
「姉さんにとって代わって」
そうなってというのだ。
「そのうえでね」
「この世界もだね」
「滅ぼすわ」
「人間を」
「地球までは滅ぼせなくても」
それは無理でもというのだ。
「貴方達も含めてね」
「地の龍全員も」
「天の龍もそうして」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「それを防ぐ為にも」
「私は動くわ」
「僕も。希望は見えてきたから」
牙暁は庚に目を閉じて言った、約束する様に。
「これからは前向きにね」
「動いてくれるわね」
「そうするよ」
こう言うのだった、そして牙暁は目を開いて微笑みそのうえで庚に対してこうしたことも言ったのだった。
「運命を切り開く為に」
「運命は切り開くものね」
「そうも思えて来たから」
だからだというのだ。
「そうさせてもらうよ」
「頼りにしているわ」
「そうなんだね」
「ええ、貴方の力もね」
「そして他の皆も力もだね」
「そうよ、そして出来れば七人とね」
そしてとだ、庚はさらに言った。
「私のね」
「合わせて八人でだね」
「彼の言う木のところに行って」
「そこで楽しもうね」
「そうしましょう、そうしたら」
それならというのだ。
「私は嬉しいわ、ただ」
「彼はだね」
「生きているとはね」
ある者のことを共に思い浮かべつつ話した。
「全く思えないわ」
「僕もだよ」
牙暁もこう答えた。
「彼については」
「そうよね」
「彼は死に場所をずっと探していて」
「それを見付けたわね」
「そうだと思っているから」
「彼は死ぬのね」
「どうにかしてね」
牙暁は暗い顔になって述べた。
「僕も彼が死なない様にね」
「動いてくれるのね」
「けれど彼は素直でないから」
だからだというのだ。
「本心はね」
「閉ざしているわね」
「誰にも言わないから」
「貴方にもよね」
「言わないよ」
そうだというのだ。
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