第三十話 勇気その七
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「本当にね」
「いいですね」
「そして終わればね」
戦いがというのだ。
「その時はね」
「そうしますね」
「是非ね」
こうしたことを言った、そのうえで。
地の龍の面々は今も共にいる時間を楽しんだ、その後でだった。
庚は夢の中で牙暁に話した、他の仲間達に見せた笑顔を彼にも見せてそのうえで話をするのだった。
「貴方もね」
「その場所にだね」
「来て欲しいわ」
「出来ればその時は目覚めて」
「そしてね」
「そうしたいね、僕はずっと寝ているけれど」
それでもというのだ。
「身体は何とかね」
「動けるわね」
「地の龍だからかな」
その為ではないかと自分で考え言うのだった。
「身体は歩ける位にはね」
「体力があるわね」
「筋肉もね」
「それではね」
「うん、起きられれば」
その時はというのだ。
「是非ね」
「そうして」
「そうさせてもらうよ、しかし」
牙暁は庚の話に目を閉じて頷いてから話した。
「まさか彼がね」
「封真がね」
「そんなことを言うなんてね」
「彼は元の彼のままだからよ」
「そうしたことを言うんだね」
「そうだと思うわ」
「間違いなくそうだね」
封真もその通りだと答えた。
「他にはね」
「理由はないわね」
「うん、ただね」
「そうね、まさかね」
「彼が彼のままでいるなんて」
「私達は確かに結界を幾重にも張ったわ」
「あの人の干渉を防ぐ為に」
彼女のことを考えつつ言った。
「僕達はそうしたよ」
「そして姉さんもね」
「抑えたね」
「けれどね」
「全て及ばず」
「彼は彼でなくなっていた筈よ」
「全く違う殺人機械の様な」
そうしたというのだ。
「恐ろしい存在になっていたよ」
「その筈だったわ、そしてね」
「小鳥も殺していたよ」
「そうだったわね」
「僕が見た運命では。けれど」
それがというのだ。
「明らかにね」
「変わったわね」
「そうなったよ、どうも彼が事前に僕と夢で話して」
「心を確かに持って」
「事前に自分が添星であることも知っていたし」
自身の父に言われてだ。
「自覚もあったから」
「彼も備えていて」
「あの人の干渉をね」
「彼自身も対することが出来たわね」
「そうしたことが合わさって」
そうしてというのだ。
「彼はね」
「彼のままでいられたわね」
「干渉を退けてね」
「そうね、ただね」
「それによってだね」
「焦っている筈だから」
庚は今話している相手の影を脳裏に思い浮かべつつ話した。
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