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第三十話 勇気その六

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「食べものだけじゃなくて」
「それも持って行ってね」
「そうしてな」 
「皆で楽しむのね」
「そうしよう」
「面白そうね」
 颯姫は無表情のまま自分の考えを述べた。
「そうしたことも」
「ああ、そうなると思う」
 封真もそれはと答えた。
「絶対にな」
「なら戦いが終われば」
「皆で行こう」
「その木の前に」
「そうしよう」
「それではね」
「甘いものは外せないですね」
 遊人はにこりと笑って言って来た。
「そうした時も」
「そうですね、皆好きですし」
 封真は彼にも応えた。
「それじゃあ」
「色々お菓子を持って行きましょう」
「そしてそちらもですね」
「楽しみましょう」
「それでは」
「そして」
 遊人はさらに話した。
「出来れば牙暁君もです」
「一緒にですね」
「行ければです」 
「いいですね、ただそれは」
「はい、彼はです」
「それが難しいですね」
「ですから出来ればです」
 遊h人は少し寂しそうに答えた。
「彼については」
「そうですか」
「ただ僕達は仲間であり」
 こうも言うのだった。
「友達同士であることはです」
「事実ですね」
「そうですから」
 それ故にというのだ。
「戦いが終われば」
「その時にですね」
「一緒にです」
 まさにというのだ。
「その木の方に行きましょう」
「皆で」
「戦いはどうなるかわかりませんが」
「一人もですね」
「死なないで済みたいですね」
「そして戦いが終われば」
「はい」
 その時はというのだ。
「皆で、です」
「行きましょう」
「そうしましょう」
「いいわね、その為にも皆生きてね」
 庚も言ってきた。
「死ぬことは許さないわ」
「皆ですね」
「そうよ、彼も含めてね」
 牙暁も含めて言うのだった。
「私達は皆ね」
「生きて」
「そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「皆でね」
「その木のところに行くのね」
「封真い連れて行ってもらいましょう」
「そうさせて下さい」
 封真も応えた、それも笑顔で。
「戦いが終われば」
「その時はね」
「それじゃあ」
「ええ、皆が生きれば」 
 庚は地の龍の面々を見回して言った。
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