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第三十話 勇気その五

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「いつもあの木の傍で一緒に遊んで」
「そして登ってな」
「神威ちゃん私が落ちそうになった時に助けてくれたわね」
「小鳥の手を掴んでな」
「ずっとね、よく覚えてるわ」
「俺もだ、それで戦いが終わったらな」
「その時はなのね」
「俺達皆でな」
 それでというのだ。
「あの木の前に行ってな」
「あの木を見て」
「そして遊ぼうか」
「ピクニックみたいに」
「そうしよう、天の龍の皆もな」
「一緒ね」
「ああ、皆でな」
 小鳥に微笑んだまま話した。
「あの木を見てその前でな」
「お弁当作るわね」
「ああ、頼むな」
「それで皆で食べましょう」
 二人でこうした話をした、そして封真も。
 都庁の地下でだ、仲間達に話した。
「戦いが終わったら皆に紹介したい場所があるんだ」
「それが何処だ?」 
 草薙が温かい笑顔で応えた。
「楽しい場所かい?」
「俺の馴染みの場所です」
 封真は微笑んで応えた。
「そこは」
「子供の頃よく遊んだ場所か」
「はい、まさにそれで」
 そうした場所でというのだ。
「大きな木がありまして」
「その木のところにか」
「皆で行きましょう」
「いいですね」
 ??も微笑んで言ってきた。
「その木の前で皆で、ですね」
「楽しくな」
「ピクニックみたいにするんですね」
「皆で美味いものを食って」
 そうもしてというのだ。
「そうしてだ」
「いいですね、戦いが終われば」
 ??は微笑みから明るい笑顔になった、そのうえで封真に応えた。
「是非共です」
「行こうな」
「そうしましょう」
「お弁当を持って行きましょう」
 星史郎も微笑んで言ってきた、今はサングラスを外しているが片目は光がない。よく見ないとわからないがそうだった。
「そして皆で食べましょう」
「星史郎さんも来られますね」
「そうしたいです」
 封真に答えた、微笑んだまま。
「僕も」
「そうですか」
「皆さんがどんどん好きになっていますから」 
 地の龍の仲間達がというのだ。
「ですから」
「そうですか」
「はい、ずっと一緒にいたいですね」 
 こうも言ったのだった。
「皆さんと」
「それでは」
「そうね、お握りやサンドイッチを持って行って」
 颯姫も言ってきた。
「皆で食べましょう、そして」
「そして?」
「飲みものも必要ね」
 封真にこのことも話した。
「そちらも」
「そうだな、お茶やジュースも持って行かないとな」
 封真は颯姫にも応えた。
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