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第三十話 勇気その二

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「夢で話した地の龍の」
「牙暁さんね」
「あいつは人間を滅ぼしたくないな」
「うん、出来れば人間をそのままで」
 小鳥は神威に彼の考えを話した、彼の口から聞いたそれを。
「それでね」
「地球を救いたいか」
「両方ね、けれどね」
「それを諦めているか」
「運命だって」
「そうか、しかしな」
 神威は小鳥の話をここまで聞いて言った。
「運命は変わる」
「お父さんが生きて」
「小鳥も生きている、それが何よりの証拠だ」
 まさにというのだ。
「それで地の龍の夢見もだな」
「驚いているわ」
 そうだとだ、小鳥はこのことも話した。
「凄くね」
「やはりそうか」
「けれどね」
 小鳥は顔を少し俯かせて話した。
「まだ完全にはね」
「吹っ切れていないか」
「それでも最後の運命は変わらないってね」
「思っているか」
「その最後は私はわからないけれど」
「悪いものだな」
「多分。私達にとってはね」
 暗い顔で話した、このことは。
「そうだと思うわ」
「やはりそうだな、しかしな」
 神威はその小鳥とは正反対に強い声と顔で言った。
「おじさんも小鳥も死ななかった、ならだ」
「最後の運命もよね」
「変わる、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「俺達三人はまたな」
「一緒にいられるわね」
「そうなる、封真もそうなることを望んでいる」 
 彼もまたというのだ。
「だからな」
「希望を持ってね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「戦っていく」
「そうよね。希望は絶対になくならないから」
「ああ、何があってもな」
「だからね」
 そうしたものだからだというのだ。
「またね」
「封真と三人でな」
「暮らせる様にしようね」
「そうだな」
 二人で話した、そしてだった。
 昼食の後で共に学校の図書館に行った、そして共に本を読んだが小鳥はここでまた神威に対して言った。
「最近東京のこと調べてるの」
「そうなんだな」
「ええ、神威ちゃん達東京の結界の中で戦ってるわね」
「俺達は結界を守ることが務めだ」
 自分の前に向かい合って座る小鳥に答えた。
「そして封真達はな」
「それを壊すのがね」
「務めだ」
「そうよね、それで最近ね」
「その結界について調べているんだな」
「東京のね。それで調べたら」 
 実際にそうすると、というのだ。
「結界なのかしらて思うところが多いわ」
「そうなのか」
「新宿の高層ビルとか山の手線が結界よね」
「そうらしいな」 
 神威は丁達と話したことを思い出しつつ小鳥に答えた。
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