暁 〜小説投稿サイト〜
同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
自由惑星同盟の最も長い3カ月
その名に誇りはあれど安らぎはなく
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「悪女め!実に素晴らしい、あぁそれでいこう!妥協の余地はいくらでも残すべきだ」

「宇宙軍の復興プランの大まかな例示はリヴォフ世話役を中心としたWGを立てましょう。造船と船乗りの伝手はアスターテが1番です‥‥パランティアを除けば」

 エオウィンがにこりと笑って付け加えたひと言にリヴォフも諧謔を込めてもう一度笑った。

「悪女め!」

「冗談ですとも、さてさて産業・労働分野のプランニングはリッツ先生と私が」

 リッツもうなずく。安全衛生管理についてはリッツは専門家だ。

「ティアマト・アスターテの帰還に関する法的な手続きの部門は私がWGリーダーを務めます」

「法案制定委員会の枠組みを作るのは良いが、どこの下院議員に声をかける」

 

 議員立法は基本的に弁務官と代議士……上下院の連名で提出することになる。

 そもそも法案の作成が大事業であり議員の華である、そして自由惑星同盟の上院議員は同盟弁務官であり(選挙により選出されるが)構成邦から3名ずつ選出される「Commissioner」である。つまるところ同盟国政政党の”党員”ではあっても党議員ではないのだ。ですです。西暦2000年代で例えれば、国連大使を官吏ではなく選挙によって任命しているようなものだ。党派以上に構成邦政府に帰属する。

 一方で下院は各選挙区に密着し、選挙によって選ばれた8000を超える代議員達である。彼らは400名程度の常任委員会とその下にある「小委員会」にて活動し、与野党問わず「党政策部会」にマスメディアの中継が入ることは極めて多い。(近年は党自らも配信し、解説を付けることもある)

 故に議員立法に名を連ねる事は下院議員の個人名が広がる華の中の華であり、次の行政委員部の席への王手となる事もある。

「NRP(国民共和党)とLASP(労農連帯党)は必須だ」

「LP(自由党)にはどうします」

「戦時国債から利率の低い国債に借り換えをする点を強調すればいい。労働教育や流通の再建に回す分にはそのまま経済の回復、税収にもつながる」

「SAU(主権自治連合)は?」

「パチェノ代表幹事にあたるとしよう。賛同の筋で行くのならSAUを固めた方がいい。統制の緩和は彼らの悲願だ」

「NRP、特にトリューニヒトの動きがわかりません。シトレ元帥の本部長続投が決定したとなると軍部の動きも読めません」

「シトレ本部長はLP閥??いや、だからか」

「軍内の主導権争いが予想されます。ドーソン次長(統合作戦本部事務総長兼務)がイゼルローン攻略作戦に協力したとはいえ、その後の協力関係も不明です」

「いずれにせよ。カーティス副議長閣下に接触してからだな」

 上院の黒幕の名が上がると皆が首肯する。

「カ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ