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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
自由惑星同盟の最も長い3カ月
その名に誇りはあれど安らぎはなく
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金帰火来ともなかなかいかないが、同盟弁務官も議員たるもの可能な限り母星‥‥【地元】に戻らなくてはならず。また同様にハイネンセンポリスにて活動しなければならない。アスターテの政府用旅客船に再集合した弁務官達も同様に戻った後のハイネンセンポリス‥‥同盟議会における活動について相談するはずであった。
ロムスキーとリッツ、二人の老医学者達は例によって朝早くに茶を飲み交わし、いつもと違い緊張と希望、そして混乱が入り混じった顔で相談していた。
「イゼルローン要塞が陥落した‥‥誤報ではないのか?」
ロムスキーが端末をいじるとニュースサイトが次々と表示される。
秘書の一人が首を横に振った。
「申し訳ございません、国防委員会への確認ができない状況です。向こうも回線が込み合っているようでしてチャットボットに回されてしまいます」
秘書のいら立ちに仕方ないさ、とロムスキーは手を振った。
「トリューニヒトもつかまりませんからな。向こうも大変なことになっているのでしょう」
リッツはどうしたものですかなぁ、と敢えてのんきそうに茶に口をつけた。
「それはそうだろうな。ホアン・ルイもそそくさといなくなった」
「ロムスキー先生の目をかいくぐって?」
目とは何だね、とロムスキーは鼻を鳴らした。
「内務長官とミーティングがあるといって内務省の車に乗って、そのまま宇宙港に消えたよ。どこぞで人的資源委員会の船に乗り換えたのだろうさ」
「エル・ファシルの内務長官とは距離を取っていると思いましたが」
「選挙前に不仲を清算するついでだろうね。まったくどちらも抜け目のないことだ」
「不仲といえばご子息とはいかがです?」
「フランチェシクかね?アレがまだ若手のころに院長を退いた私を恨むのもわかる・・・・」
臨床の場に立つ息子を思う老政治家をリッツは微笑んで眺めていた。その時、扉が開き黒人の中年軍人が入室した。
「おはよう、ロムスキー代表」
「イロンシ、聞いたか?」
イロンシはいいや、と首を振る。
「事後の動向を見ると可能性は高いが、信じられないよ。エオウィン女史を待つべきだろうさ。パランティアの情報部門は統合作戦本部と提携している。HUORNあたりから報告が入っているんじゃないか?」と医師と退役中将が言葉を交わしているとドアが乱暴に開いた。
「遂に!遂にかっ!!」
普段の豪傑かつ宿将然とした態度をかなぐり捨て吼えたのはリヴォフである。目に危険な光を宿し、体躯を震わせ、咆哮する。
諌めるはずのアリシアも同様だ。この二人はさもありなん、と代表世話人であるサウリュス・ロムスキーは肩をすくめた。
「我々は為すべきことをせねばならない。第一なる約定、本
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