ユニバース26
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、好戦的な性格のほうが楽園を維持しやすくなってしまいます!」
「もしかしたら、我々は大前提から間違えているのかもしれない…」
ラッテラー星人が話し合っていると、突然扉が開く。
「お前達か!人間達を仮想世界に閉じ込めているのは!」
開いた扉からダンが入ってくる。
「君はウルトラセブンか。噂は聞いているよ。宇宙の平和を守るために死力を尽くす君には、是非とも拍手を送りたいほどだ。」
ラッテラー星人のリーダーはダンの入室を拍手で迎える。
「何をふざけたことを言っているんだ!人間達を幽閉し、何を企んでいる!」
ダンは力強く言う。
「幽閉?我々はそんな物騒なことは考えていないさ。寧ろ、君達ウルトラ戦士と同様、宇宙の平和を築くための研究をしているのだよ。」
「平和を築くための研究だと!」
「如何にも。我々はこれまで様々な条件で複数の惑星で仮想空間に楽園を築き、その惑星の住民達の行動心理を研究してきた。様々な星の研究者が争いのない理想の楽園を求めながらも、何故達成できないのか、達成できない理由は何なのか、それを取り払えば達成は可能なのか、ずっと研究していた。」
「そのために、それぞれの星の人々を実験台にするのは間違っている!」
ラッテラー星人の言葉にダンは怒りを顕にする。
「では聞こうではないか。人間は薬品の実験でラットを使うだろう?人間達はその都度律義にラットに実験台にしてもいいのかと尋ねているのかい?そんな事はないだろう。我々のしていることはそれと同じさ。まさか、直立二足歩行を行い、独自の言語体系を有する意思疎通が可能な知的生命体は特別だとでも思っているのかい?」
ラッテラー星人は後ろめたさなど感じない態度を見せる。
「それを本気で言っているのならば、お前達を放置することはできない!」
「そうかっかしないでくれ。我々は戦う気などない。それに、そろそろ地球から撤退する予定だった。」
「どういうことだ!」
「これまでの研究データを持ち帰り、我々の研究チームの解体指示に従う予定だった。」
「話を聞かせてもらおうか。」
「我々の研究チームの目的である争いのない理想の楽園が構築不可能であることはラッテラー星の連邦政府から告げられていた。それでも我々は行動心理学の応用を行えば可能だと思っていた。しかし現実はどうだ。どの惑星でも楽園の維持が困難で、最長は2年半、地球に至っては1ヶ月半で楽園が無法地帯に変わり始めた。故に、多種多様な心を持つ知的生命体に、楽園を築き上げることは不可能と我々は決断し、最後のレポートを提出し、我々は再び個人の行動心理学者に戻ろうと決意したのだ。我々にだって資金の限界はある。政府からの資金援助も打ち切られ、個人で出資できる資金も限界が来た。ここが引き際だと判断したんだよ。」
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