ユニバース26
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「少し前に応募していた企画で、仮想世界で楽園を体験しようって企画があったの。私の学校でも話題になっていて、かなり多くの人が応募したみたいだけど、私の学校からは5人も選ばれたみたいなの。」
「マユカちゃんも応募したのかい?」
「私はしていない。だってほら、私とアヤネって価値観とか全然違うでしょ?全員が納得できる楽園なんて、存在できるわけ無いでしょ。」
「そんなことを言ったら、平和な世界は実現できないと言ってしまうのと同じじゃないかい?」
「私は、出来ないものだと思っています。誰かにとっての平穏と、私の平穏が同じものだと限りません。それこそ、ノンマルト議題じゃないけど、人間を優先すればノンマルトの、ノンマルトを優先すれば人間の、平和が奪われてしまいます。平和が奪われた方は、新たな平和を求めて誰かの平和を奪ってしまいます。」
マユカは持論を話す。
「…!ごめんなさい!こんなこと、誰よりも宇宙の平和を願っているモロボシさんに言うのは間違っているのに…」
「いいんだ。それは僕達だって解っている。だからこそ、平和を願っている人々から平和を奪う真似を許してはいけないんだから。」
マユカはすぐに謝るが、ダンはそれを受け止める。
「ありがとうございます!そういえば、これがその楽園体験企画の会場です。もしかしたら、みんなそこにいるかも。」
マユカはダンに会場の詳細を見せる。
「ありがとう。調べて見るよ。」
ダンは走り出した。
「ちっ、いつまで追われないといけねえんだよ!」
アヤネは男性から追われていた。話は一週間前に戻る。
「きみ、いい見た目してんじゃん。俺達と遊ばない?」
数人の若い男性グループがアヤネによってくる。
「はあ?そういうのが目的なら、店だっていくらでもあるんだからそっちいけよ!」
アヤネは強気な姿勢を崩さない。
「人が折角仲良くしようぜって言ってやってんのに、そういう態度取るんだ?おい、そのガキ捕まえろ。捕まえたらお前らも混ざっていいぜ!」
男性グループのリーダーは取巻きに指示を出す。その言葉を聞き、取巻きとアヤネによる逃走が始まったのだった。
「はぁ、あんな奴らに絡まれなければ、今頃スイーツ巡りで楽しんでたんだろうなぁ…」
アヤネの回想が終わると、アヤネは捕まるまいと猛ダッシュで取巻きたちから距離を離す。すると、
「こっちだ。」
狭い路地から手が伸び、アヤネを引き込む。
「あんた!」
アヤネは掴んだ手の主を睨もうとする。
「静かにするんだ。こっちで上手く隠すから。」
手の主は路地から出る。
「なぁ兄ちゃん?兄ちゃんと同じくらいの歳の娘が通ったと思うんだけど、どっち行ったかわかる?」
「その娘なら、多分そこのショッピングセンターに入って
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