ユニバース26
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ね。」
リョウトとナリユキは会場に入っていく。
「皆さん、本日はお集まり頂き、誠にありがとうございます!」
当選者が全員入場したことを確認し、人間に変装したラッテラー星人が司会として現れる。
「これから皆さんに体験していただく楽園体験ですが、改めて概要を説明いたします。先ずはお手元のヘッドギアを装着していただきますと、皆さんの意識を仮想世界へ転送いたします。仮想世界では常に快適な温度で調整されますので御安心ください。また、仕事などは一切存在しませんので皆さんの自由な暮らしが保証されます。」
司会の言葉に人々はざわつく。
「そして、この仮想世界がなぜ楽園と呼ばれるものになるのかについてですが、この仮想世界では現実と同様に空腹や怪我、病気などが発生します。あくまでも、現実に近づけるための措置で行われますので、実際に皆さんのお体に影響があるわけではないのでご心配なく。勿論、ただ病気を発症するのは楽園とは程遠いものなので、怪我や病気はその都度完全に治療され、食事に困ることも起きない、まさに人類にとって理想の楽園になるものです。ここまででご質問のある方はいらっしゃいますか?」
司会の説明を聞き、参加者は納得する。
「それでは皆さん、ヘッドギアの装着をお願いします。」
司会の言葉を聞き、参加者はヘッドギアを装着する。
「それでは皆さん、楽園での至福のひと時を!」
司会は機材を作動させ、参加者の意識を仮想世界へ転送した。
「…ここが、仮想世界ってとこ?」
アヤネが目を覚ますと、そこは現実と何も変わらない空間が広がっていた。
「なんか、思ってたんと違うなー。」
アヤネはフラフラと歩き始める。仮想世界の中で働いている人物達はAIが使われているらしく、司会の言っていたように働いている参加者は1人もいなかった。
「こんなうまい料理をいくら食べてもいいだなんて、楽園最高だな!」
「ここなら無限にレベル上げ放題じゃん!」
「こういう老後なら、幸せに暮らせそうね。」
すでに多くの人々が仮想世界での快適な生活を満喫し始めていた。
「んじゃ、私も気になっていたスイーツでも食べっか。ここなら太る心配もないし。」
アヤネも他の参加者に倣って仮想世界を楽しむことにしたのだった。
それから二ヶ月が経過した頃、マユカはあることでダンに相談をしに行っていた。
「なに?アヤネちゃんが行方不明だと?」
「詳しく言うとアヤネだけじゃないの。私の学校だけでも5人くらい行方不明になっているの。」
マユカが相談していた内容とは、楽園体験の参加者と連絡がつかなくなっていることだった。
「何か心当たりはないかい?」
「確か、みんな楽園体験がどうとか言っていたはず。」
「楽園体験?なんだいそれは?」
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