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八条学園騒動記
第七百十一話 恐竜達その九

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「そうであり続けている」
「それだけ虫は怖いのですね」
「そうだ、人間に対してもな」
「そうですね、マラリアもです」
 上等兵は大尉に真剣な顔で応えた。
「この時代もです」
「脅威だな」
「はい」
 大尉に率直に答えた。
「流石に死亡率は低いですが」
「しかし苦しむことは避けられない」
「そうですね」
「アレクサンドロス大王も死んだ」 
 マラリアでだ、自身をアキレウスの生まれ変わりと考えかつ天才と言うしかない軍事の才能を発揮し自身の身体能力もかなりのものだった彼もなのだ。
「一匹の蚊によってな」
「マラリアに感染し」
「そして死んだ」
「そうでしたね」
「だからだ」
「昆虫は恐ろしい」
「連合でも言われている」
 今彼等が活動しているこの国でもというのだ。
「その様にな」
「昆虫は恐ろしいと」
「昆虫は恐竜より恐ろしいとだ」
 恐竜達も観て話した、どの恐竜達に用意されている餌を食べるとそのままくつろいでいる。実に平和な姿だ。
「諺にある」
「諺にもなっている位ですか」
「一見巨大で恐ろしい外見のものよりもだ」
 そうした存在よりもというのだ。
「小さく目立たないな」
「そうしたものの方が恐ろしいですか」
「そう言われているのだ」
「そうなのですね」
「現に今言った通りだ」
「獣害よりも害虫ですか」
「恐竜よりも哺乳類でな」
 そしてというのだ。
「さらに言えばな」
「哺乳類より昆虫ですね」
「そう言われている」
「そうなのですね」
「作物を脅かし人や家畜にもだ」
「害を及ぼす」
「そうだ、だからな」
 それ故にというのだ。
「恐ろしいのだ、小さく見付けにくいしな」
「それでは連合では」
「かなり警戒されていてだ」
 そしてというのだ。
「対策もかなり用意されていてな」
「実行されていますね」
「そうなっている、恐竜は大人しい生きものということはな」
「覚えておくことですね」
「巨体だから飼育は大変だが」 
 それでもというのだ。
「言ってしまえばそれだけだ」
「巨大なだけですね」
「暴君と言われているティラノサウルスでもだ」
 恐竜の中で最も有名な種類の一つであるこの肉食恐竜もというのだ。
「実はな」
「満腹ならですね」
「それで満足してだ」
 そしてというのだ。
「もうな」
「何も襲わないですね」
「イタチと違う」 
 この哺乳類と、というのだ。
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