愛に飢えた少女
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はしっかりと頷く。
黎は頷いた後、部屋を出て行った。
旅の準備をしに行ったのだろう。
「ちょ、ちょっと待ってよ、黎!」
本当に俺について来るのだと知った?徳は、黎の後を追い駆ける。
「ごめんなさいね。
多分、黎は貴方が断っても無理やりついて来るわよ。」
「えっと、何で俺なんですかね?」
「愛に理由はないわよ。」
そう言って言葉を区切る。
「あの子の身体には私の夫の血が流れているの。
母親は違うけどね。」
「それって。」
「娘の馬超とは腹違いの姉妹。
黎の母親は生んで、少ししてから病気にかかって死んだわ。
残った黎を夫が連れて来たの。
少し複雑だったけど、家族として向かい入れたわ。
でも、どう接すればいいのか分からなくてね。
あの子自身も自分が娘でない事を知っていたらしくて、私達とは積極的に係わろうとしなかった。
そんな黎に話しかけたのが優華よ。
優華の優しさに触れて、よく懐いてたわね。
それがきっかけで、黎と距離が縮まって今は普通に話し合う仲までになったわ。」
「だから、?徳はあれほどまでに黎を。」
「ちょっと過保護すぎるけどね。」
馬岱の言葉に少しだけ同意する。
でも、それだけ大切なんだろうと実感する。
「だからこそ、人一倍に愛に飢えているのだと思うわ。
そして、自分の全てを捧げる事のできる人に出会った。
関忠さん、娘をどうかお願いします。」
話を聞いていたら断れない状況まで追い込まれていた。
馬騰は始めから、ここまで話を持っていかせるために話をしたのだろう。
「策士ですね。」
「伊達に年の功をつんではいないわ。」
このやり取りだけで、馬騰は俺が何を言っているのか分かったのだろう。
俺自身、あそこまで言われたら引き受けない訳にはいかない。
何より、黎こと馬良は軍師有名な将だ。
こちらにはメリットは充分にある。
「馬騰さんに渡したい物があります。」
そう言って、孫堅直筆の手紙を渡す。
手紙を受け取り、書かれている事を読む。
「孫堅は相変わらず元気そうね。
よろしくしてやってくれと書いてあるのだけど。」
「実は一つだけ聞きたい事があって。
五胡について話を伺いたいのです。」
今まで優しい顔をしていた馬騰の顔が引き締る。
いずれ、この国を俺の物にした時、五胡と戦う可能性がある。
それを想定しておくためにも、五胡の情報は欲しかった。
この時代を考えるとさほど活発な活動をしてないと思うが、念のために聞きたかった。
「五胡とは何回か交流はあるわ。
でも、基本的にはこちらを好意に思っていない。
話を聞いてくれる人もいるけど、話を聞かずに襲ってくる輩の
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