愛に飢えた少女
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も、失礼ですが俺は結婚なんてしている余裕がありません。」
「どうして余裕がないのかしら?」
「俺は王になるからです。
この国を自分の国にする為に。」
馬騰を除いて、その場にいた全員がさっきより驚いた表情を浮かべる。
しかし、馬騰だけはさっきと変わらない優しい表情をしていた。
「最初に会った時に眼を見た時に、何か感じたけど、王になりたいのね。」
そう言うと少しだけ目を瞑った。
次に目を開けた時には、芯の通った眼をしていた。
さっきまでの儚い雰囲気がどこかへ消える。
「なら、一つだけ質問していいかしら?」
「どうぞ。」
「貴方はこの土地が欲しくて、攻めてきた州牧だと仮定しましょう。
戦力差はほぼ同じ。
さぁ、貴方はどうする?」
「まずは話し合いですね。
戦力が同等だと、こちらの被害も大きい可能性が出ますからね。」
「もし、話し合いに応じなかったら?」
「攻めます。」
即答だった。
「俺が先陣に立ち、出来るだけ自軍の被害を少なくするように努力します。
大将の首、つまり貴方の首を取り、速やかに戦を終わらせます。」
その言葉を言った瞬間、後ろから殺気が襲い掛かる。
殺気の本人は確認するまでも?徳だろう。
自分の主人を殺すと目の前で言われたのだから、殺気を出しても不思議ではない。
でも、馬騰はその殺気に気がついたのか。
「優華、殺気を抑えなさい。
彼はまだ話を終えていないわよ、そうでしょう?」
馬騰の言葉に同意するように頷く。
「ですが、それは貴方の事を知らないという条件付きです。
今では深い仲ではないですが、知り合いという事になります。
何とか説得しますよ。」
「それに応じなかったら。」
「説得に応じるように状況を作ります。
どんな手を使っても。」
「なるほどね。」
俺の言葉を聞いて、対象は殺気が納まった。
馬騰は俺の言葉に満足しているのか、笑みを浮かべて言う。
「黎、諦めなさい。
彼は本気よ、結婚も納得いかないと思うわ。」
馬騰は俺の覚悟を聞いて納得してくれたようだ。
『それは話を聞いて分かった。
だから、別の方法を考えた。」
黎も納得してくれたみたいで良かった。
後は孫堅の書いて貰った手紙を見せて。
『だから、縁様について行く。
縁様が王になった時に改めて結婚を申し込む。』
「えっ?」
「「えええええええええええ!!!!」」
俺と?徳の声が重なる。
この話はもう終わったと思ったんだけど、黎はまだ諦める気は全くない。
これには馬騰も予想していなかったのか、少しだけ驚いている。
「それでいいの?」
馬騰の問いかけに、黎
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