愛に飢えた少女
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「これはこれで面白いけど、叔母さまの所に案内できないんだけど。」
この後、俺は一時間くらいリアル鬼ごっこをして、最終的に黎に説得してもらった。
「ここが、叔母さまの自室だよ。
でも、叔母さまは体調が悪いからさっきみたいに騒がないでね。」
「俺じゃなくて、二人に言ってくれると非常に助かる。」
黎の説得で?徳は何とか剣を収めてくれたけど、それでも棘のような視線は依然と続いている。
部屋に入ると、一人の女性が寝台に上半身を起き上がらせて、窓の外の景色を見ていた。
一目見た瞬間、何て儚げな女性なのだろうと思った。
触れれば壊れてしまいそうな、そんな印象を受けた。
俺達が入ってくるを見ると、笑みを浮かべて出迎えてくれた。
「いらっしゃい、蒲公英。」
「叔母さま、身体は大丈夫?」
「ええ、今日は調子いいみたいよ。
優華も黎も元気そうね。」
『私は元気。』
「私も黎と同じです。」
「そして。」
馬騰の視線が俺に向けられる。
「初めまして、私は馬騰と言います。
寝台の上からで申し訳ないわね。」
「気にしないでください、体調が優れないのでしょう。
私は関忠、どうぞお見知りおきを。」
「ふふふ、そんなにかしこまらなくてもいいわよ。
ここに尋ねた理由は何かしら?」
馬騰がそう聞くと、黎が一歩前に出て竹簡に文字を書いて行く。
『この人と結婚する許可を欲しい。』
「あらあら。
ついに婿を見つけたのね、おめでたいわ。」
この言葉を聞いた限り、馬騰は結婚にあまり否定的ではないようだ。
このまま話を進められたら本気で結婚させられるな。
「でも、?徳は納得しているの?」
視線を黎から?徳に移す。
不満バリバリの表情をしている?徳だが。
「私の試験には全部合格しました。
納得していませんが、納得しました。」
矛盾した発言だが、?徳も結婚には反対ではないらしい。
まずい。
これは非常にまずい。
俺がここに居る時点で、結婚には同意しているように捉えられてもおかしくはない。
本当は別に目的があるのだが、何としてもこの話を止めないといけない。
口を開こうとした時。
「でも、関忠さんは納得してないみたいよ。」
俺の思っている事を見透かされたような発言を、馬騰の口から聞こえた。
黎と?徳と馬岱は驚いた顔をしながら、こちらを見てきた。
『縁様、納得してないの?』
「まさか、私の黎と結婚できない訳?」
さっきと言っている事と行動が全く逆なのだが。
それをツッコむと話を進まないので、無視して自分の意見を言う。
「確かに初対面に等しい俺に、これだけ好意を向けられるのは嬉しい。
で
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