第九十話 欲情の自覚その五
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「事実だけれど」
「そうよね、そうしたことしないとね」
「やっぱり赤ちゃん出来ないわね」
「それで出来るとか」
「コウノトリが運んで来たとか」
「キャベツから出て来たとかよ」
そうした話だとだ、理虹は一華にボールをトスで出したかな恵に話した。
「そうしたことよ」
「それかキリストさんね」
「まあ実際のところはね」
「キリストさんも」
「あれでしょ、結婚する前に」
「そうよね」
「ヨセフさんとマリアさんが」
キリストの両親がというのだ。
「そうだったのよ」
「若しくは結婚した直後に」
「キリスト教徒の人に言ったら嫌な顔されるかもだけれど」
「実際はそうよね」
「それでそこから神様がね」
「力を授けたのよね」
「お腹の中にいる間に」
イエス=キリスト、彼がというのだ。
「そうだと思うわ」
「やっぱりそうよね」
かな恵もそれはと頷いた。
「普通に考えると」
「ええ、だからね」
「赤ちゃんが出来るってことは」
「絶対によ」
「そういうことしたのね」
「というかそうしたことしないと」
理虹は真顔でさらに言った。
「人間これまでね」
「続いてないわね」
「増えることだってね」
「してないわね」
「細胞分裂とかで増えないから」
人減はというのだ。
「もうそこはね」
「言うまでもないわね」
「増えるには」
人減という生きものがというのだ。
「それにはよ」
「そうしたことをしていることが絶対ね」
「私達にしてもね」
「いやいや、それ言ったらね」
一華が苦笑いで言ってきた。
「もうね」
「駄目かしら」
「言ったら駄目でしょ」
「恥ずかしい?」
「ええ、流石にね」
「まあね、言われてみるとね」
理虹もここで止まった。
「そうね」
「そうでしょ」
「それじゃあ」
「ここから先はね」
「言わないことね」
「ええ、兎に角手をつなぐ位だと」
一華はここに話を戻した。
「何でもないのね」
「そうでしょ、まあそうしたことは今はね」
富美子がまた言ってきた。
「私達はね」
「先のことね」
「ずっとね、ただそう思っていても」
「いきなりってことも」
「可能性はゼロじゃないから」
「ちゃんとわかっておくことね」
「店長さんの言われる通りにね」
こう一華に話した。
「そうしないと泣くのはね」
「私達ね」
「自分達のことだから」
他ならぬというのだ。
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