第八十四部第四章 続く会談その二十
[8]前話 [2]次話
「くれぐれも」
「よく飲むが」
アルギエーリは自分が酒好きであることも言った。
「それもか」
「お忙しい時こそです」
「控えてか」
「職務に励まれて下さい」
「忙しいとストレスが溜まる」
妻にこの現実を話した。
「そして食べることもな」
「お時間を取れないですね」
「そうなって」
そしてというのだ。
「どうしてもな」
「お食事はファーストフードといいますか」
「食べればいいというものになってな」
「ジャンクフードともですね」
「呼ばれるものばかり口にしてしまう」
尚この時代ではそうした食べものも栄養バランスは二十世紀のものよりも遥かによくなっていて不健康なものかというとそうでもなくなっている。
だがそれでも限度があってなのだ。
「それでだ」
「それ故にですね」
「食事も偏りな」
「お酒もですね」
「夜遅くまで仕事をしてな」
そしてというのだ。
「その後でだ」
「飲まれますね」
「強い酒を一気にな」
「蒸留酒等をですね」
「ウイスキーやブランデーをな」
こうした強い酒をというのだ。
「私の場合だが」
「飲まれますね」
「もうストレートで一気にだ」
それこそというのだ。
「飲む」
「それです、それがです」
「身体によくないか」
「蒸留酒はアルコール度が高いです」
「普通にワインの三倍はある」
「その様な強いお酒をです」
妻はどうかという声で夫に話した。
「一気に飲まれることは」
「身体に悪いな」
「今日はそうしたお酒は飲まれていませんね」
「ワインとシャンパンだ」
このことは本当のことだった。
「この二つを飲んでいる」
「左様ですね、どうかです」
「強い酒はか」
「はい」
是非というのだ。
「控えて下さい、こうした時は」
「今もだな」
「そうです、今夜はです」
「もう酒自体をか」
「飲まれずに」
それでというのだ。
「お過ごし下さい」
「それがいいか」
「あのケマル=アタチュルクもそうでしたね」
妻は夫にトルコひいては連合全体で偉大な英雄の一人だと言われているこの人物の名前も出して話した。
「そうでしたね」
「彼は多忙だった」
「トルコの近代化を推し進め」
「その中でだ」
まさにというのだ。
「多忙を極めていた」
「左様でしたね」
「しかし彼は酒を愛していた」
「そうでしたね」
ケマル=アタチュルクはムスリムだった、トルコがイスラム国家であることは遥か前からだったのでこのことは当然のことだ。だがトルコはかなり寛容は国でムスリムといえど飲酒もよしとされていたのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ