第百十一話 喫茶店での出会いその三
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「建て替えるんだよ」
「お金もかけて」
「こうしたことに使わないとな」
お金はというのだ。
「命がないとお金も使えないだろ」
「それはそうですね」
咲はマスターのその言葉にも頷いた。
「言われてみますと」
「だから俺も奥さんと話してな」
「建て替えることにされたんですか」
「そうなんだよ」
これがというのだ。
「考えてな」
「そうなんですね」
「地震が一番怖いだろ」
マスターは咲に真顔で話した。
「何と言ってもな」
「そうですね、火事も雷も台風も怖いですが」
咲もそれはと応えた。
「一番怖いのは何か」
「地震だろ」
「そうですね」
その通りだと答えた、実際に咲はあらゆる災害の中で地震が一番怖いと考えた。関東大震災や日本中で起こっているそれを見てのことだ。
「本当に」
「だから地震にはな」
「備えることですね」
「前の東北の地震で大勢の人がお亡くなりになったしな」
「二万以上ですね」
「ああなるからな」
大勢の犠牲者が出るからだというのだ。
「本当にな」
「地震がですね」
「一番怖くてな」
それでというのだ。
「本当にな」
「気を付けないといけないですね」
「特に東京にいたらな」
「関東大震災のこともあって」
「何でも一定の間隔でな」
「起こるって言われてますね」
「そうだしな」
このこともあってというのだ。
「俺もな」
「気をつけてるんですか」
「ああ」
そうだというのだ。
「本当にな」
「そうですか」
「お嬢ちゃんも気を付けなよ」
「地震にはですか」
「他の災害もそうだけれどな」
「特にですね」
「ああ、地震はな」
これはというのだ。
「本当にな」
「注意してですね」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「何かあった時にな」
「備えておくことですね」
「何時起こるかわからないからな」
こうも言うのだった。
「地震は」
「確かにそうですね」
咲も否定出来なかった。
「地震は」
「本当に急にな」
「起こりますね」
「だからな」
「備えはですね」
「いつもな」
それこそというのだ。
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