第十二幕その六
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「明日からね」
「レポートだね」
「それを書くね」
「そうするね」
「そうするよ、そしてね」
そのうえでというのです。
「楽しませてもらうよ」
「レポート書くのも楽しいね」
「そうだね」
「先生にとっては」
「そうだからね」
だからと言う先生でした。
「楽しみだよ」
「全くだね」
「書く方も」
「そちらもね」
笑顔で言ってでした。
先生はレポートも書きました、それはすぐに完成して誤字や内容のチェックをしてそのうえで提出しました。
そうしてでした、先生は。
皆に言われて日笠さんに直接お土産を渡すことになりましたが。
「皆いつもこう言うよね」
「日笠さんについてはですね」
「直接渡す様にだね」
トミーと王子が応えました。
「僕達いつも言ってるけれど」
「そこはちゃんとですよ」
「先生いつも手渡しだけれどね」
「僕達に対してもですが」
「日笠さんには特にだよ」
「絶対にお願いしますね」
「わかったよ、しかし何でかな」
先生は気付かないまま首を傾げさせました。
「皆日笠さんにはそう言うのかな」
「まあそれはです」
「先生以外は皆わかっているからね」
「だから今はそれでいいです」
「先生はそうでもね」
「そうなんだね、じゃあ日笠さんにも直接ね」
手渡しすると言って実際にでした。
先生は日笠さんにもお土産を手渡ししました、すると日笠さんはとても喜んでくれました。そうしてです。
その後で、です。動物の皆は先生にやれやれといったお顔で言いました。
「いつもこうだからね」
「先生はね」
「僕達も気が気じゃないよ」
「いつもは思い込まないのに」
「このことだけは思い込んで」
「全く気付かないから」
「困ったことよ」
日笠さんの勤務している動物園に行ってお土産を渡して研究室に帰る時に先生にぼやきつつ言うのでした。
「こんな先生だからね」
「何かと心配だよ」
「これはトミーも王子も頑張ってるけれど」
「私達も頑張らないとね」
「今まで通りね」
「ううん、皆日笠さんと会った時そう言うけれど」
それでもとです、先生は皆に言いました。
「何でかな」
「何でってね」
「そのこともずっとわかってないし」
「あんなにはっきりしてるのに」
「それがわからないのがね」
皆はどうかとまた言います。
「本当にね」
「まあそれはだよ」
「皆で何とかしていくから」
「先生が気付かなくても」
「任せてね」
「じゃあね」
先生はわからないまま頷きました。
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