第十二幕その三
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「もう目立ってしゃあないわ」
「そうなのですね」
「オズマ姫は世界そのものでな」
「オズの国のですね」
「そや、あの人わしのことよお褒めてくれるからな」
だからだというのです。
「わしも嬉しいわ」
「野村さんも褒めてもらえるとですね」
「こんな人間や、よおボロクソ言われたが」
それでもというのです。
「西本さんにも褒めてもらったし」
「オズマ姫にもですか」
「褒めてもらってるで」
「そうなんですね」
「そやで」
「そうですか、それで西本さんというのは」
どなたかとです、クッキーが言いますと。
白髪頭を真ん中で分けた小さくて優しい目をしたやや細長いお顔のスーツの人が出て来ました、ナターシャ達五人はクッキーにその人を見て言いました。
「この方です」
「この方が西本さんです」
「西本幸雄さんっていいます」
「三つのチームで監督をされてです」
「どのチームも優勝させたんですよ」
「そんなに凄い方なの」
クッキーは五人のお話を聞いて驚きました。
「この方は」
「そうなんです」
「凄い実績のある方なんです」
「沢山の名選手を育てられて」
「それで八回も優勝された」
「素晴らしい人なんですよ」
「ははは、一回も日本一になってへんで」
西本さんは笑ってこう言いました。
「わしは」
「いえ、凄いですよ」
ナターシャはその西本さんに目を輝かせて答えました。
「八回も優勝させるなんて」
「しかも弱いチームを強くしてですからね」
恵梨香も西本さんを尊敬する目で見ています。
「尚更です」
「沢山の名選手を育てて」
ジョージはこのことを言いました。
「そのうえで、ですから」
「それで凄くないなんてないですよ」
神宝が見てもです。
「本当に」
「八回も優勝なんて」
カルロスも西本さんに言います。
「どんなスポーツでもそうは出来ないですからね」
「そやな、わしはこの人にはどうしても勝てんわ」
野村さんも言います。
「西本さんだけにはな」
「何言うてるんや、自分にはよおやられたわ」
西本さんは野村さんに笑って言い返しました。
「試合の度にな」
「ははは、そうでした?」
「キャッチャーとしてもバッターとしても監督としてもな」
「そやけどわしもかなりやられてますで」
「それでオズの国でもやな」
「ほんまどれだけやられてるか」
こう言うのでした。
「ずっと」
「そう言うとお互い様ですか」
「そうなりますか」
「あの、お二人は確か」
ナターシャが言ってきました。
「お酒は」
「ああ、わしもあかんかった」
西本さんが答えました。
「外の世界ではな」
「そうでしたね」
「オズの国では飲めるけどな」
「それでもですね」
「やっぱ
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