第五章 トリスタニアの休日
エピローグ 夢の中の物語
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……それは、とても綺麗な夢
―――問おう。貴方が私のマスターか
……それは、とても優しい夢
―――シロウはここで勉学に励んでいるのですね。私はそういう機会はありませんでした……強いて言うならばマーリンがそうだったのでしょう……。え? 勉強会……ですか? しかし私は……マンツーマンは嫌だ? ……そんなに凛の教え方は厳しいのですか……ふふ……わかりました。私も一緒に受けましょう
……それは、とても楽しい夢
―――ちょっと待っててくれセイバー。もうすぐ出来るからってえあ?! 何て格好してんだ遠坂っ! ま、また寝ぼけてるのか……ほらっ! さっさと顔を洗って目を覚まして来いっ! こんなところ藤ねえに見ら、れ、たら……ふ、藤ねえ……さ、桜……ちょっ! ご、誤解だ! そ、そうだセイバー! い、イリヤも何か言ってくれ! これは誤解だっぎゃあああああああぁぁぁぁぁ……
……それは、とても悲しい夢
―――石を投げられ、罵声を浴びながらも人を救い……裏切られ、騙され、利用されながらも人を救い……その最後は、恨みや憎しみを押し付けられ断頭台に送られた……死して守護者になってからは、既に終わった悲劇を片付けるだけ……そこには『正義』も『救い』も何もない……だから、お前はここで死ぬべきなのだ……衛宮士郎。
……それは、とても酷い夢
―――いや……嫌だよバーサーカー……バーサーカーは無敵でしょ……そ、そんな奴に負けないよね……わたしを一人に……しない……よね……一人に……しないでよ……バーサーカー……
それは、とても苦しい夢
―――なかったことになんか……しない……ッ! やりなおしなんか、できない……ッ! 俺は……置き去りにしてきたものの為にも、自分を曲げる事なんて、出来ない……っ!
怒り、悲しみ、優しさ、憂い、後悔、絶望、恋、慈愛、決意……様々な想いが渦巻くその夢は……ただ見ているだけのわたくしの心を千々に千切り……乱れさせ……
夢の中のあの人は、わたくしが知っているあの人とは違い。
未熟で
甘く
若く
力がなかった
けれど……あの人はそれでも……
諦めず
逃げることなく
歩み続け
行き着く先に避けられない別れがあったとしても……
やり直せると囁かれても……
振り返ることなく、血を流しながらも進み続ける……
ああ……
あなたは……
それだけの傷を負いながらも……
諦めることなく……
逃げるこ
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