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神々の塔
第三十話 多くの神々その一

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                第三十話  多くの神々
 日本の弥生時代の建物の中を模した木の匂いがする階を進みつつだった、アレンカールはこんなことを言った。
「次の神霊さんは日本の神様達よね」
「そや」
 シェリルが答えた。
「今度は」
「そうよね、しかし日本の神様って」
 アレンカールはシェリルの返事を聞いて述べた。
「物凄く多いのよね」
「八百万の神々やからな」
「中国の神霊さんも多いけど」
「日本はさらにや」
「多いわね」
「その多さがか」
「あたい困るのよ」
 どうにもというのだ。
「覚えられへんから」
「それな。私もや」
 シェリルもそれはと返した。
「日本の神様ってな」
「兎に角多いわね」
「仏様もな」
「こっちの世界の神霊さんでもね」
「一番多いな」
「そうよね」
「この塔でもな」
「ようさん出て来るわね」
「伊達に八百万とか言わんわ」
 神々の数がというのだ。
「森羅万象それぞれに神様が宿ってて」
「どんどん増える国よね」
「人も祀られると神様になるわ」
「天神様もそうやし」
「ほんまどんどんな」
 それこそというのだ。
「増えるわ」
「只でさえ多いのに」
「ええと、今度戦う神霊さんの中に大碓命さんがおるけどな」
 リーは塔の資料を読みつつ話した。
「この神霊さんって倭建命さんのお兄さんや」
「あの古事記で殺されたか」
 施が言って来た。
「あの人やろ」
「いや、それがや」
「実はか」
「それは古事記の話でな」
 この書のというのだ。
「日本書紀やとな」
「生きてるか」
「そしてな」
 施にさらに話した。
「美濃、起きた世界の今やと岐阜県の方にな」
「いったんか」
「そうや、当時あそこは日本の辺境で」
「ああ、関東はその倭建命さんが平定してな」
 メルヴィルがそれはと言った。
「九州もそうして」
「関東もでな」
 リーはメルヴィルにも話した。
「それでや」
「美濃はまだか」
「辺境でか」
「守る必要があってな」
「大碓命さんはやな」
「美濃に入ってな」
 そうしてというのだ。
「あそこの守りをや」
「任されたんやな」
「そうや」 
 日本書紀によればというのだ。
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