第八十九話 夏休みの宿題その七
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「耽美派だから」
「それで、ですか」
「永井荷風もそっちだけれどね」
耽美派に区分されている、その為四畳半襖の下敷きというそうした作品は今も彼の作品ではないかと言われている。
「谷崎はかなりね」
「凄くて、ですか」
「だって人妻の同性愛とかね」
「凄いですね」
一華も他の四人もその話には引いた。
「何処かで聞いた気がしますけれど」
「有名だからね、卍って作品よ」
谷崎の代表作の一つである。
「関西を舞台に下ね」
「関西ってここじゃないですか」
「谷崎って神戸にも住んでたことあるし」
長い間関西に住んで京都や大阪、神戸を転々としている。
「関西を舞台にした作品も多いのよ」
「そうなんですか」
「それでね」
「そうした作品も書いていて」
「兄貴が電車の中でよりによってその卍読んでいて」
それでというのだ。
「隣の席のおばさんによ」
「嫌な顔されたんですね」
「あと兄貴と私の間にお姉ちゃんもいるけれど」
店長はさらに話した。
「ギリシア神話好きで」
「あっ、ギリシア神話って」
かな恵が言ってきた。
「もう結構」
「無茶苦茶よね」
富美子はかな恵の言葉に頷いた。
「誰も彼もね」
「理性もへったくれもないわよね」
留奈も言った。
「誰も彼もむらっときたらね」
「後先考えずによね」
理虹もギリシア神話についてこう言った。
「神様も人も」
「理性ない世界ですよね」
一華はギリシア神話について店長に話した。
「性別種族関係なく」
「凄いでしょ」
「それでどんどん子供作りますね」
「そう、ギリシア神話は他にもかっとなったら」
感情的になればだ。
「すぐに人殺すでしょ」
「それも無茶苦茶な殺し方してますね」
「大量殺人とかね」
「そっちも酷いですよね」
「お姉ちゃんそれ言ってたのよ」
「ギリシア神話はそうだって」
「もう理性なんて全くないね」
尚ギリシア神話は特に欧州では教養として知っておかねばならないことの一つとされている。芸術の題材にもなっている。
「とんでもない世界だって」
「言っておられるんですね」
「ただ国の名前の出版社の本を読むよりも」
「ずっとましですか」
「そうよ、こうしたのを呼んで知識を得てもね」
「いいですか」
「まあギリシア神話は谷崎より凄いけれどね」
その内容はというのだ。
「無茶苦茶過ぎて」
「何か感情だけで動いて」
「後先全く考えてないですよね」
「神様も大概ですが」
「人間もニンフもですからね」
「考えて行動してないですよね、皆」
「けれど学校で読んでもね」
ギリシア神話の本をというのだ。
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