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3月の末、結局みんなでディキャンプに行くことになって、京都の南の方で、電車とバスの乗り継ぎなのだか、アスレチック施設もあるからと選んだのだ。
食材は持ち込みなので、男の子達はクーラーボックスを下げていた。私と、亜里沙は普通の短パンだったけど、キラちゃんはぴっちりしたジーンの短パンにベルトと髪の毛も上げて野球帽を被っていたので、少年のようだった。
施設に着いて、男の子達は早速、火の用意にかかって、私と亜里沙は野菜なんかを切っていたのだけど、キラちやんは、火をおこしているのに反対からウチワであおいだり、男の子の後ろに回って草で耳の辺りをくすぐったりで、はしゃいでしまっていた。よっぽど、楽しいのだろうけど、そのうち進藤君から
「おぃ 匠 キラちゃんをあっちに連れて行けよー 火の周りでチョロチョロして危ないよー」
「そうだなー 俺も思ってた でも 怒ると すぐに 泣くしなぁー」
「なんやねん 私は もう 子供ちゃうでー 泣かへんわー だって 暇やしー 皆に構って欲しいもん」
「だったらよー そこで 踊ってろよ 得意だろ? みんなに見せてやればー」
キラちゃんはしばらく考えていて [紅蓮華] を本当に歌いながら振りをしていた。私達は普通に聞いていたのだけど・・・それなりに上手なのだ。私達だけじゃあなくて、周りの人にも受けて、その気になったのか、続けて [ダンシングヒーロー] を・・・。歌はそんなに上手じゃぁ無いんだけど、リズム感が良くってキレッキレのダンスで、終わった後、周りの人達からもやんやの拍手だった。私達も、圧倒されていたのだけど、それよりも、改めて、この子のすごいところを見せつけられて唖然とさせられていた。
「ねぇ もう そろそろ お肉焼いてもいい?」と、キラちゃんは何にも無かったかのように、催促していた。
「白木屋君 キラちゃんの あんなとこ・・・知ってた?」と、私が聞くと
「うーん なんとなくな ときどき 踊るふりしてたから」
「そうなの キラちゃん いっぱい 食べようね お腹すいたでしょぉー」
「わぁー 肉! 肉!」と、相変わらず無邪気なのだ。
それから、食べ終わったら、皆でフィールドアスレチックに挑んでいった。ある程度ペァ同士になってやっていって、男の子が先で女の子が続いた。私達のペァが先頭で、次は白木屋君とキラちゃんのペァ。
一つのアトラクションが終わると、先に渡った白木屋君がキラちゃんに「がんばれ」とか声を掛けて、キラちゃんが渡り終えた時には抱きかかえるように迎えて「やったねー」と、キラちゃんも抱きついていくように・・・その時に、白木屋君は手をまわしてお尻なんかも支えていたのだが、キラちゃんは「こわかったぁー」とか言いながら、平気ではしゃいでいるのだ。
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