暁 〜小説投稿サイト〜
私の 辛かった気持ちもわかってよー
11-7
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 3月の末、結局みんなでディキャンプに行くことになって、京都の南の方で、電車とバスの乗り継ぎなのだか、アスレチック施設もあるからと選んだのだ。

 食材は持ち込みなので、男の子達はクーラーボックスを下げていた。私と、亜里沙は普通の短パンだったけど、キラちゃんはぴっちりしたジーンの短パンにベルトと髪の毛も上げて野球帽を被っていたので、少年のようだった。

 施設に着いて、男の子達は早速、火の用意にかかって、私と亜里沙は野菜なんかを切っていたのだけど、キラちやんは、火をおこしているのに反対からウチワであおいだり、男の子の後ろに回って草で耳の辺りをくすぐったりで、はしゃいでしまっていた。よっぽど、楽しいのだろうけど、そのうち進藤君から

「おぃ 匠 キラちゃんをあっちに連れて行けよー 火の周りでチョロチョロして危ないよー」

「そうだなー 俺も思ってた でも 怒ると すぐに 泣くしなぁー」

「なんやねん 私は もう 子供ちゃうでー 泣かへんわー だって 暇やしー 皆に構って欲しいもん」

「だったらよー そこで 踊ってろよ 得意だろ? みんなに見せてやればー」

 キラちゃんはしばらく考えていて [紅蓮華] を本当に歌いながら振りをしていた。私達は普通に聞いていたのだけど・・・それなりに上手なのだ。私達だけじゃあなくて、周りの人にも受けて、その気になったのか、続けて [ダンシングヒーロー] を・・・。歌はそんなに上手じゃぁ無いんだけど、リズム感が良くってキレッキレのダンスで、終わった後、周りの人達からもやんやの拍手だった。私達も、圧倒されていたのだけど、それよりも、改めて、この子のすごいところを見せつけられて唖然とさせられていた。

「ねぇ もう そろそろ お肉焼いてもいい?」と、キラちゃんは何にも無かったかのように、催促していた。

「白木屋君 キラちゃんの あんなとこ・・・知ってた?」と、私が聞くと

「うーん なんとなくな ときどき 踊るふりしてたから」

「そうなの キラちゃん いっぱい 食べようね お腹すいたでしょぉー」

「わぁー 肉! 肉!」と、相変わらず無邪気なのだ。

 それから、食べ終わったら、皆でフィールドアスレチックに挑んでいった。ある程度ペァ同士になってやっていって、男の子が先で女の子が続いた。私達のペァが先頭で、次は白木屋君とキラちゃんのペァ。

 一つのアトラクションが終わると、先に渡った白木屋君がキラちゃんに「がんばれ」とか声を掛けて、キラちゃんが渡り終えた時には抱きかかえるように迎えて「やったねー」と、キラちゃんも抱きついていくように・・・その時に、白木屋君は手をまわしてお尻なんかも支えていたのだが、キラちゃんは「こわかったぁー」とか言いながら、平気ではしゃいでいるのだ。

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ