第十一幕その八
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「新選組がやったってね」
「それ皆思っていて」
「龍馬さんを尊敬している土佐藩の人が自分がやったって人出て来ても」
「お前なんぞが坂本先生殺せるかって言ったのよね」
「その人は新選組がやったって思っていて」
「それでその人は近藤勇さんを捕まえるとね」
新選組の局長だったこの人をです。
「すぐに処刑したんだ」
「打ち首にしたんだよね」
「武士で死にたかった近藤さんを」
「切腹させずに」
「それで晒し首にしたのよね」
「思えば近藤さんも色々やったからね」
先生はここで難しいお顔になりました。
「新選組は恰好いいイメージがあっても」
「そうそう、実はね」
「新選組って暗殺とか騙し討ち多いから」
「それも内部でね」
「結構ヤクザ映画みたいなところあるわよね」
「裏切り裏切られで」
「近藤さんもその中心にいたからね」
その暗殺と騙し討ち、裏切りの中にというのです。
「だからね」
「因果応報かな」
「望まない結末を迎えたのは」
「武士になりたくてなって喜んでいたのに」
「切腹出来なかったことは」
「そうかもね、それでそうなった伏線はね」
それはというのです。
「龍馬さん暗殺の実行犯が新選組だった」
「その説が支配的で」
「当時は皆がそう思っていたから」
「それでだね」
「近藤さんもそうなったのね」
「けれど実はね」
龍馬さんを暗殺した人はといいますと。
「それは佐々木只三郎というね」
「直新陰流の人だったんだよね」
「実は」
「龍馬さんを暗殺したのは」
「そうだったね」
「そうだったみたいだよ、この人がだよ」
まさにというのです。
「自分が龍馬さんを殺したってね」
「言ったんだね」
「自分から」
「そうだったんだね」
「それで違うと言われたけれど」
それでもというのです。
「この人も強かったんだ」
「直新陰流で」
「この流派で」
「それでなんだ」
「うん、かなりの強さだったらしいよ」
先生は実際にとです、皆にお話しました。
「この佐々木さんって人もね」
「そうなんだね、けれど何かおかしいよ」
ここでジップはふと気付いて言いました。
「龍馬さんを暗殺した人が直新陰流の人なら」
「あっ、そうだね」
トートーはジップの言葉にはっとなりました。
「薩摩藩のお家芸で勝海舟さんが免許皆伝だね」
「それじゃあまさか」
老馬もはっとなりました。
「龍馬さん暗殺を命じたのは」
「薩摩藩の人か勝つさん!?」
ホワイティはまさかというお顔です。
「そうなるね」
「いや、そんな筈ないよ」
「流石にね」
チープサイドの家族も信じられないといった感じです。
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